名古屋・栄の「Hisaya-odori Park」に2024年6月19日、ゴジラが登場しました。

 19日夜、名古屋の真ん中、中部電力 MIRAI TOWER前の水面から顔をだした「ゴジラ」。むき出しの鋭い牙に、相手を威嚇するような鋭い眼光。まるで映画のスクリーンから飛び出してきたようです。

 出現から一夜明けた20日、ゴジラの前には大勢の人の姿がありました。

30代女性:
「すごい迫力があって、今にも食べられちゃいそうな感じで、キャーっとなりました」

30代男性:
「すごく臨場感があって楽しいです。ワクワクしますね」

「テレビ塔」として開業した中部電力 MIRAI TOWERとゴジラには、共通項があります。

【動画で見る】70年間で3回破壊される…名古屋の中部電力 MIRAI TOWERに同い年のゴジラが襲来 歴史振り返る特別展も

映画「ゴジラ-1.0」の山崎貴監督:
「中部電力 MIRAI TOWERは70周年、ゴジラと同じ年に生まれたものなんだと、さっき初めて知ったんですけど、そういう縁があったんですねとすごく驚いています」

 70年前の1954年6月20日に「名古屋テレビ塔」として開業。フランス・パリのエッフェル塔がモチーフの全長180メートルの姿は「東洋のエッフェル塔」とも呼ばれました。

 開業当初は、長蛇の列ができるほど多くの人で賑わい、「空中結婚式」が行われたこともあります。2008年には恋人の聖地にも選ばれ、寒空の冬に寄り添って歩くカップルも多く訪れました。

 その後、耐震工事などで一時休業しましたが、2020年9月にリニューアルオープンし、2022年には国の重要文化財となりました。そして2024年6月20日で70歳です。

 そのタワーとともに、戦後からの時代を歩んできたのが「ゴジラ」です。

 タワーでは、ゴジラと「同級生」の中部電力 MIRAI TOWER70年の歴史の展示が始まりました。

 第一作の封切が、中部電力 MIRAI TOWER開業と同じ1954年。その後『モスラ対ゴジラ』などの映画で度々、倒されてきました。

 展示を見ると、過去3回もMIRAI TOWERがゴジラに破壊されたことがわかります。

 ゴジラと同い年で、大のファンだという70歳の男性が会場を訪れていました。

70歳男性:
「名古屋はテレビ塔を壊してくれてありがたい、歴史に残った。どんどん壊してくれればいい。次は中日ビルなんか壊してくれれば歴史に残りますから」

 映画の中で破壊することが、ゴジラからの「愛」だと語ります。

70歳男性:
「社会的な問題との関係があって、最初そういうことで出発したのがゴジラですよね。70年の間に路線変更とか浮き沈みがあって今日に至る」

 会場では、ゴジラとともに人生を歩んできた70代の姿が目立ちました。

77歳男性:
「小学校の修学旅行でテレビ塔に来て以来なんですよ。モスラやキングギドラとか、子供の頃見た覚えがありました」

 地上90メートルの展望台では、スマートフォンを使ってARで名古屋とゴジラのそれぞれの70年の歴史を振り返ることができます。また、その年のゴジラの鳴き声を聞くことができ、年によって異なるゴジラの声を聞き比べることもできます。

 70年間という時間をともに歩んできた中部電力 MIRAI TOWERとゴジラ。特別展は9月23日まで開かれています