頭にケガの恐れも「まぁ元気で帰ってたから」小学校部活動の指導委託先“技研サービス” 指導員が明かした実態
名古屋市立小学校の部活動で、指導を委託した業者「技研サービス」が研修を受けていない指導員を派遣するなどしていた問題で、技研サービスに雇われて指導員を務めている女性が実態を語りました。
市立の小学校では教職員の働き方改革で、部活動の指導を民間に委託する事業を2020年から導入していますが、2024年4月から名東区など8の区で指導を委託された業者「技研サービス」が、研修を受けていない指導員を派遣していた事案などが複数確認され、市が90件の改善指導をしていたことが東海テレビの取材で明らかになっています。
6月26日、名古屋市議会でも議題に上がりました。
自民党の横井利明名古屋市議:
「『指導者が来ない』『指導者が子供を残して途中で帰ってしまった』などの苦情が、教育委員会に130件も殺到いたしております」
技研サービスの指導員:
「誰かの紹介でその週に紹介されて、もう次の週から何の研修も受けずに指導に来るみたいな。私が知っているだけでも、そういう方が5人はいると思うんですけど」
こう話すのは、4月から技研サービスに雇われ指導員を務めている女性です。研修を受けていないことだけでなく、ルール違反にあたる状況を何度も目の当たりにしてきたといいます。
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技研サービスの指導員:
「本来でしたら2人で指導しなければいけないところを、『今日はオリエンテーションだから1人でやってください』と言われて」
2人体制で教えるという指導のルールを無視。さらに…。
技研サービスの指導員:
「6年生の投げたボールが4年生の頭に当たると。頭部のケガというのは一番危ないものですから、必ず保護者の方に連絡をしなければいけないとなっているんですけれども、私が統括の方に伝えたら『元気で帰って行ったから連絡しません』って」
技研サービスは東海テレビの取材に「指導者不足に関しては、求人をかけて日々人材確保に努めている」としたうえで、「最低限の研修は、名古屋市とも協議のうえで受けさせていた認識です」とコメントしています。
ただ、市によると活動が始まった4月以降、保護者や指導員からの苦情は130件に上るといいます。
市教委は26日、現在8区としている技研への委託を9月から縮小する考えを明らかにし、それまでの間は学校現場の協力を得ながら活動を継続するとしています。
取材に応じた指導員は、現状を容認する名古屋市にも責任があると厳しく指摘します。
技研サービスの指導員:
「教育委員会は特例措置として認めていますけれども、特例中に何か起こったらどうするんですかという話ですよね。『体制が整うまで部活動はできません』と決断するのが、教育委員会の仕事じゃないかなと思いますけれども」
責任について河村たかし市長も答えました。
河村たかし名古屋市長:
「発注する方は、発注してから後は知りませんよというわけにはいかんですよ。大至急調べまして適切な対応をとって、新たに多くの人に参加してもらえばいい、近所の人でもええし」