“SNS型詐欺”の宣伝に使われ怒り…池上彰さん「投資商品の宣伝なんかしません!」警察と被害防止呼びかけ
有名人の写真や名前を勝手に使った「SNS型投資詐欺」が急増しています。ジャーナリストの池上彰さんが7月10日、被害防止の啓発活動に協力しました。
<池上彰さん(愛知県警が制作した動画)>
「私は怒っています!私は投資の商品の宣伝なんかしません!」
有名人をかたる「SNS型投資詐欺」には、池上さんも度々『宣伝』に悪用されることから、愛知県警の依頼に応える形で7月10日、被害防止の啓発動画の収録を行いました。
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池上彰さん:
「最初は気にも留めていなかったんですよ。それに引っかかる人がいるなんて思ってもいなかった。それがどんどんどんどん深刻になり。私のことを信用してくださったがゆえに被害にあってしまうという、そして非常に被害が多いというのに本当に心を痛めています」
池上さんも由々しき事態と捉えるその手口について、詐欺対策のサービスを提供する会社に話を聞きました。
トビラシステムズ・セキュリティリサーチャーの柘植悠孝さん:
「こちらが偽広告です。『簡単に稼げるよ』とか『楽に儲かるよ』というような広告が(詐欺の)入り口となって」
SNSで実際に掲載されていた「ニセ」の広告です。有名な実業家などの顏写真を使い、「アドバイスを提供する」などの文言がのせられています。こうした広告からリンクを進んでいくと、投資に関する情報を交換するというLINEグループに招待されます。
柘植さん:
「経済評論家の方ですかね、こちらをかたっているアカウント。米国の株の動向ですとか、そういった最新の情報を先生が報告すると。サクラの方とかが『先生ありがとうございます』とか反応する」
SNS型投資詐欺のLINEグループとみられるトークでは、テレビで顔も売れている経済評論家になりすました人物が、株の動向などを発信しています。
本人と信じ込んだ人にアシスタントを名乗る人物などがウソの投資話をもちかけ、現金を振り込むように誘導するということです。
柘植さん:
「被害が多いのが40代~60代といった方で、老後を見据えて資産を増やしたいとか、そういうことを考えてみる方とかが騙される可能性が高いのかなと」
有名人をかたった「SNS型投資詐欺」は、1件当たりの被害額が高額となる傾向があります。愛知県内での2024年の被害は、5月末時点で総額31億円を超え、すでに2023年1年間の被害額を上回っています。
柘植さん:
「新NISAが始まるとか、投資ブームというのがけっこう世の中で言われるようになって、それに便乗したかたちが多いのかなと思います」
池上さんも注意を呼びかけます。
池上彰さん:
「『私は怒っています!』と動画にありましたけど、本当に怒っているというのと、情けないですよね。本当に残念でしょうがないですし。日経平均株価とか、それがどういうものかという解説はしますけど、誘うということはしない」
池上彰さん:
「私が恥ずかしいんですよね。自分が歩いていて、突然そんなのが出たらびっくりしてしまうなって思いはあるんですけど、そういう恥ずかしさは置いといて。簡単にお金を増やすなんてことはできないんですよね。儲け話に引っかからないでください」
池上さんが出演する動画は、愛知県警の公式ユーチューブや、街中のデジタルサイネージなどで公開されます。