「毒」をテーマにした特別展が、名古屋市科学館で開かれています。“意外と知らないこと”を学べる展示も多く、夏休みの自由研究にもおすすめです。

 名古屋市科学館で“毒”がテーマの『特別展「毒」』が開かれていて、毒をもつキノコや生き物の標本など約200点が展示されています。

 黄色や青の派手な色が特徴の「ヤドクガエル」は、体長数センチほどの小さなカエルですが、文字通り、毒矢に塗られていたほどの強い毒を持っています。

【動画で見る】自由研究の題材にも…名古屋市科学館で『毒』に関する特別展 毒を持つキノコや生き物の標本など約200点展示

名古屋市科学館の学芸員:
「1匹のカエルで10人分の致死量があるといわれています」

 ヤドクガエルの毒は、狩りや戦争に使われていて、外見が派手な色をしている理由については、派手な色で自分の身を守るためだということです。

「カエンタケ」は、触っただけで手が赤く腫れあがるという危険なキノコです。食べてしまうと、命を落とすおそれもあります。

 他にも、真っ赤な傘に斑点が入ったキノコなど、毒々しい生き物などがずらりと並んでいましたが、会場にはなぜか「うな重」が置いてありました。

名古屋市科学館の学芸員:
「ウナギの血液に毒があるんですけれども、熱に弱いので焼いたり蒸したりすることによって、おいしいウナギの蒲焼きが食べられる」

 ウナギは血液や粘液に毒を持っています。加熱すれば毒性はなくなるので、安心して食べられます。

 かわいらしいコアラも展示されていますが、その理由はエサの「ユーカリ」です。ユーカリは青酸化合物などの強い毒素を含んでいて、ほとんどの動物は食べないからだということです。

 なぜ、コアラはユーカリを食べられるのでしょうか?

名古屋市科学館の学芸員:
「盲腸の中に細菌がいて解毒をしています。お母さんのうんちを子供が食べて、そのうんちの中に細菌がいるので、赤ちゃんコアラはその細菌をお母さんからもらう」

 身近で知らないことを学べる展示も多く、夏休みの自由研究にもおすすめです。会場では、毒キノコの大きなぬいぐるみや、グラスや湯呑などのオリジナルグッズもあります。

『特別展「毒」』は9月23日まで、名古屋市科学館で開かれています。