「新幹線のありがたみが分かった」との声も…保守用車両の衝突事故あった東海道新幹線 23日朝から運転再開
保守用車両の衝突事故で7月22日、一部区間で運転を見合わせた東海道新幹線は、混乱が解消され、一夜明けた23日、始発からようやく動き始めました。
22日、名古屋-浜松間で終日運転見合わせとなった東海道新幹線。23日はJR名古屋駅で、足止めを食った多くの利用客が始発前から改札口前に並んでいました。
始発から通常通りの運行となり、東京-新大阪間の上下線で「のぞみ」の臨時便が2本ずつ運行されました。
名古屋から東京へ行く家族:
「家族4人分の服と下着を揃えて名古屋に一泊して。子供と並びで取ることが一般席は無理だったので、グリーン車で」
名古屋から東京へ行く別の家族:
「月曜日に帰る予定だったんですけれども、(犬山の)妻の実家に帰りました。今日は午前休を取って、午後から働きます」
東京から名古屋に移動してきた中国人観光客も、中部国際空港から出る昼の飛行機に何とか間に合いそうでした。
中国からの観光客:
「昨日来ようと予定していたけれど、新幹線がキャンセルになって今日名古屋に来ました。これから空港へ向かいます」
大混乱の原因は、東海道新幹線の線路で起きた事故です。22日午前3時半ごろ、蒲郡市内で保守用車両同士の追突事故が発生。2台とも脱線し、炎天下での復旧作業が行われました。
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夕方になり車両の撤去は完了しましたが、その後も運転再開とはならず、影響は夜まで続きました。
午後9時ごろの豊橋駅。皆さん大変な一日を過ごしたようです。
箱根に向かう予定だった北九州から来た女性は、朝6時半の新幹線で箱根行きを目指しましたが、新大阪で途中下車。観光を楽しんだ後、名古屋まで行き、在来線で豊橋に辿り着きました。
北九州から来た家族:
「静岡にいる主人に迎えに来てもらっているところ。帰りは1時ぐらいですかね。新幹線のありがたみが分かりました」
JR東海は運転を見合わせた列車は328本、影響を受けた人の数は25万人に上るとしています。
夏休みを直撃した大混乱に、JR東海は22日夜、会見を開いて謝罪し、復旧に時間を要した背景を説明しました。
JR東海の施設部長:
「40キロほどのスピードでぶつかっておりまして、それを切り離すのに慎重を期しながらやって時間を要したということ。衝突した結果、油等も漏れておりましたので、そちらの処置も行わなければならなかった」
線路設備の補修や、保守用車両の搬送にも時間を要したといいます。
事故の直前、追突した保守用車両の運転士は手動ブレーキを操作したほか、GPSを使った自動ブレーキも反応していましたが、作動はしませんでした。
JR東海の施設部長:
「運転士が居眠りだとかよそ見だとかということもなくて、それぞれ係員が2人おりますけど、別々に話を聞いても『きちんとブレーキ操作をしていた』ということですので、今のところ手順誤りみたいなことはないと想定しております」
手順に誤りがなかったのであれば、なぜ事故は起きたのか。事故車両は豊橋駅近くの保守基地に収容され、JR東海が詳しい原因調査を進めています。