パリ五輪アーティスティックスイミング 高校3年の島田綾乃 五輪メダル5つ持つレジェンドの教えを胸に大舞台へ
パリオリンピックのアーティスティックスイミング日本代表に選ばれた島田綾乃(しまだ・あやの)選手は三重県鈴鹿市の高校3年生で、8月6日未明、初戦を迎えます。
指導したのはオリンピック3大会で5つのメダルを獲得した武田美保さん(現性は鈴木)で、自分の経験から大舞台に望む「金言」を送っています。
■高校生離れした演技力…高校生でマーメイドJAPANに選出
アーティスティックスイミングでパリ五輪代表に選ばれた島田綾乃選手(18)は、三重県鈴鹿市の鈴鹿高校に通う3年生です。
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7月17日、島田選手の姿は、鈴鹿市の「三重交通G スポーツの杜 鈴鹿」にありました。
島田選手の持ち味は体幹を活かした、キレのある高校生離れした表現力です。
2024年2月にドーハで行われた世界水泳では、チームで銅メダルを獲得。「マーメイドJAPAN」のメンバーに選ばれました。
練習時間は、1日8時間。
島田選手:
「立っているのが結構しんどいので、ただいるだけなら水の中の方が楽です」
■指導するのは五輪3大会で5つのメダル獲得した“レジェンド”
このプールでアーティスティックスイミングの指導をするのは、武田美保コーチ(現姓:鈴木)です。
武田コーチは1996年のアトランタ五輪から3大会連続で5つのメダルを獲得した“レジェンド”で、結婚相手の鈴木英敬さんが三重県知事になって、16年前に三重県に移り住み、2011年から県内の子供達のコーチも務めていて、島田選手も小学6年生の時から指導を受けています。
普段は笑顔も見える武田コーチですが、プールに入ると厳しい表情も見せます。
島田選手:
「他の選手に怒っている時は怖いなって思うけど、すぐ取り入れられるような注意をしてくださるので、私自身も直しやすい」
武田コーチはタブレットで動画を見ながら島田選手の演技を撮影し、島田選手は動画で自分の演技を確認して、細かい修正を重ねていきます。
武田コーチは、愛弟子・島田選手を「私には無かったものを持っている選手」と評価しています。
武田美保コーチ:
「回転の終着と同時に静止するっていうような、筋肉を一瞬で固めるみたいな使い方もできないといけないんですけども、柔らかさと硬さっていうのが、すごく彼女の中でちゃんと両立ができていて私には全く無かったものを持っている選手だと思います」
体の柔軟性もさることながら、ぶれずにピタリと動きを止める静止力。レジェンドも認めるバランス力は、生まれ持っての才能と日々の努力の積み重ねだといいます。
■武田コーチから島田選手へオリンピック攻略のための“金言”
三重県から、この競技でオリンピックに出場するのは島田選手が初めてです。島田選手と武田コーチは6年間二人三脚で歩み、パリへの切符を掴みましたが、最終ゴールは日本がまだ成し遂げていない、金メダル獲得です。
3大会連続でメダル獲得を成し遂げた「先輩」だからこそ伝えられる、貴重なアドバイスがあります。
武田コーチ:
「オリンピックの時には、“ここに勝たなきゃ”とか他者に目を向ける必要がなくて、自分がこういう演技をしたいんだっていうところに集中してくれると、全然怖い舞台ではないのでっていうのが3大会目にやっとわかりました」
「相手を意識せず、自分を信じて演技に集中すること」。20年前に気付いた、メダル獲得への近道です。
■島田選手「自分達がしてきたことを表現できれば」
7月19日、島田選手が通う鈴鹿高校で壮行会が開かれました。
島田選手:
「日本代表としての自覚と誇りを持ち、パリの地に国歌を流せるように頑張ります」
在校生は「校歌」の合唱で島田選手を送り出しました。
その後の記者会見で島田選手は、「もちろん金メダルがほしいですが、他の国のことは考えず自分達がしてきたことを自分達なりに表現できればいい」と恩師の思いもしっかりと受け止めていました。
アーティスティックスイミングは、8月6日未明に初戦を迎えます。
2024年7月23日放送