三重県の大台町と大紀町で、業者の人手不足を理由に、2024年春から学校給食でパンの提供がなくなっていることがわかり、「給食」に注目が集まりました。

 児童の中には「揚げパンが食べたい」と話す子供もいましたが、揚げパンは例えば名古屋市ではなじみのないメニューです。

 今回は街の声やアンケートの結果で、「ご当地の名物給食」を調べました。

 愛知県江南市出身で21歳の男性が教えてくれたのは「ひきずり」というメニューです。

江南市出身の男性(21):
「鶏のすき焼きのことを、うちの地元では『ひきずり』というらしくて、引きずって食べるというところからきているらしくて。鶏のお肉と糸こんにゃくと豆腐と白菜みたいなものがごちゃまぜになって入っていた」

 愛知県常滑市出身の女性は、海の近くからかメニューに「もずく」が多くあったようです。

常滑市出身の女性(19):
「汁ものに入っていて、麺と一緒に食べたり。海があるから出る、鬼崎のりとか」

【動画で見る】“揚げパン”にピンとこない地域も…ご当地の『名物給食』を調査 ひきずりからサボテンまで地元色が鮮明に

 抹茶が有名な愛知県西尾市では、聞きなれないメニューがありました。

西尾市出身の女性(44):
「てん茶めし」

一緒にいた西尾市出身の女性(42):
「ご飯にお茶が混ぜ込んであるご飯です」

西尾市出身の女性(44):
「お茶っ葉が混ぜられている。てん茶めし好きだったから」

 他にも調べると、いろいろとありました。

 名古屋市の小学校の給食で1、2を争う人気メニューが「ピリ辛スープ」です。

 具だくさんのスープで、味噌やコンソメに加え、豆板醤が入ったピリ辛仕上げですが、子供たちも十分に食べられる辛さだということです。

 三重県津市の名物は「津ギョーザ」です。直径15センチの皮を使った大きな揚げ餃子で、給食の枠を超えB級グルメの大会でも日本一に。農水省のHPでも紹介される存在にまでなった立派なギョーザです。

 愛知県春日井市は、特産のサボテンを使ったメニューがあります。スープ・サラダに使ったり、きしめんに粉末を練りこんだりしているということですが、市の担当者は「子供たちからは人気…ということは特別聞いたことないですね」と話していました。

 きせかえ顔文字キーボードアプリの「Simeji」が10歳から24歳の男女785人に聞いた「Z世代が選ぶ好きな給食のメニュー」では、1位「揚げパン」、2位「フルーツポンチ」、3位「カレーライス」と続きますが、9位には「ABCスープ」というものがありました。

「ABCスープ」とは、野菜スープにアルファベット型のマカロニが入った一品で、群馬県の桐生市に聞いたところ、昭和50年(1975年)頃、食品メーカーからアルファベット型のマカロニができたから給食に使えないかと打診があり使いはじめたところ、子供たちにも人気になり、ほかの地域でも多く見られるようになりました。

 このため、桐生市がABCスープの発祥ともいわれているということです。

2024年7月12日放送