非常に強い台風10号 “令和の米騒動”に影響は コシヒカリの収穫作業が滞る農家も「早く過ぎ去って」
コメが不足し、スーパーでは品薄状態が続く“令和のコメ騒動”ともなっています。近づく台風10号により、コメの収穫にも影響が出ていました。
■コシヒカリが“ぺしゃんこ”に…収穫に影響が
急速に発達して非常に強い勢力となった台風10号は、27日夜にかけて奄美地方に最接近する見込みで、その後、列島を縦断する可能性があります。
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台風で、“令和の米騒動”ともいわれるほどの品薄状態が続くコメにも影響が出ています。愛知県弥富市の田んぼでは、一部残っているコシヒカリの収穫に影響が出ているといいます。
鍋八農産の坂本さん:
「こちらがコシヒカリという品種の圃場になります。コシヒカリは元々倒伏しやすい品種なんですが、昨日今日の雨や風でぺしゃんこに倒れてしまっています。元々ですと、昨日や一昨日ぐらいには(収穫が)終わっている計画だったんですが、雨が降って収穫できない日が続いてしまったので、この時期までずれ込んでしまっています」
雨風に加え、穂が倒れた状態での収穫はコンバインにも負担がかかり、収穫作業がペースダウンするほか、品質の低下にもつながる懸念があるといいます。
田んぼの水を抜き、量を調整するといった対策を講じていますが、限界があります。
坂本さん:
「ちゃんとしたおコメとしてお出しできなくなったりするので、できれば早く過ぎ去ってほしいなと思います。できるだけ多くのお客さまに召し上がっていただきたいので、極力、収穫や精米に関しても作業を急いでいるんですが、どうしても限界があって歯がゆいところはありますね」
■「4軒回ってる…」スーパーで品切れ続く 今後の見通しは
コメの品薄は、スーパーに行ってみると明らかです。8月27日、名古屋市中区のスーパー「生鮮食品館サノヤ」のコメ売り場には、商品はありませんでした。
客:
「もう4軒くらい回っている。(子供たちに)食べさせないかん。とりあえず昨日、最後の分を炊いたね」
生鮮食品館サノヤの三輪店長:
「値段も上がっています。(三重県産5キロで去年と比べて)200円くらい高いですかね。アメリカ産も最近は仕入れているんですけど、そちらも入ればすぐ売れちゃう状況です」
2023年の猛暑の影響と、インバウンドによる外食産業の引き合いで、コメの品薄状態が続いています。現在はコメの代わりに、パックご飯やお餅がよく売れているといいます。
客:
「たまたま10キロ買って、まだそれが残っているけど、あと3キロぐらいかな。あんまり心配していません。また新米が出てくるから」
まもなく新米の季節を迎えるため、スーパーの担当者は「早めの入荷」をして対応しているといいます。
Q.どのくらい我慢すれば?
生鮮食品館サノヤの三輪店長:
「もうあと1~3週間だと思うんですけどね。徐々に新米ができてきていますので、買い込みはしなくて大丈夫かと思います。今週末に入荷の予定はあるんですけども、便を早めまして木曜日には入荷予定です」
坂本農林水産大臣は27日、「新米の生育は順調に進んでいる」として、コメ不足は順次解消していくという見通しを示し、政府の備蓄米放出には慎重な姿勢です。
今後の見通しについて、JAあいち経済連の中村隆志さんに聞きました。
コメ不足については、新米の収穫が9月末~10月頭ごろにピークを迎えるため、その頃には解消するのではないかということです。
新米の価格については、「農業機械に人件費などコメ作りにかかる全てが高騰しているため、2023年よりも高くなる見込み」としています。