まもなく秋を迎え、「食欲の秋」となります。しかし「令和の米騒動」など、2024年も食卓に影響が出ています。秋の味覚の価格や出来を調べました。

 街で「気になる秋の味覚」30人に聞いたところ、9種類の回答がありました。

【30人に聞いた気になる「秋の味覚」】

栗 8人
サンマ 7人
サツマイモ 7人
梨 3人
ぶどう 2人
柿 1人
マツタケ 1人
その他 1人

「秋の味覚」の王道、サンマと答えた人に話を聞きました。

40代:
「秋といえばサンマ。この時季になると食べたくなる」

50代:
「去年はとても手が出なくて、今年はちょっとお安くなるという噂を聞いているので」

 2024年のサンマといえば8月、根室の初水揚げで2023年の140倍という豊漁が話題になりました。

 遠く離れた愛知県瀬戸市のスーパーでも、2023年の3分の1から半額以上安い一尾298円で店頭に並んでいました。

新鮮市場いせやの担当者(8月20日):
「見通しは明るいと思います。1本100円くらいの売価でいけると思っております」

 あれから2週間が経ち、9月4日改めて「いせや」を訪ねました。

新鮮市場いせやの担当者:
「198円と298円、サイズの違いですね」

 198円のものは前回298円で店頭に並んでいたサンマと同じくらいのサイズのもので、前回より脂が乗った大きなサンマを、価格据え置きで販売しているということです。

“令和の米騒動”の中…気になる『秋の味覚の価格や出来』を調査 サンマは値下がり見通し サケは高値か

 店によると、北海道で3日に水揚げされたサンマは、2023年のおよそ5倍となる600トンほどで、今後も「値段は下がる」とみています。

新鮮市場いせやの担当者:
「値段がもっと落ち着いてくるんじゃないかと。今年はサンマに関してはかなり期待できると思います。あとひと月もすれば、今年はある程度大きいサンマがお値打ちに食べられるんじゃないかな」

 もう1つの秋の味覚「秋サケ」は事情が異なるといいます。3日に札幌で行われた初競りでついた値は、1キロあたり8万8888円と過去10年で最高値になったといいます。2024年の来遊量は、平成以降最少のおよそ1700万匹の予測で、高値が続く見通しです。

新鮮市場いせやの担当者:
「今後も間違いなくずっと不漁だろうと。イクラの値上げの打診がきていますね。今年のサケはちょっと見通しは暗いかなと。代わりにサンマを」

 また、サンマ同様、上位にランクインしていたクリとサツマイモは、収穫のシーズンは今後本格化するため、見極めはこれからですが、秋が深まり始める頃には価格もお手ごろになると期待できるといいます。

 果物では「ナシ」「ブドウ」「カキ」がランクインしています。

40代:
「ナシですかね。果物で一番好きなので」

80代:
「買ってきました。2個入りですね。体にもいいっていうから」

 しかし、2024年はナシに心配事があります。

JAあいち豊田・営農生活部の担当者:
「今年は量もどうしても少ないものですから、約1割程度、価格の方が上がっていますね」

 JAあいち豊田によると、2024年は連日の猛暑に加えて雨が少なく、全国的に小玉の傾向で、出荷量も減少していて、価格も2023年と比べておよそ1.1倍上がっているということです。

 糖度は詰まっていて愛知のナシの味には影響はないといいますが、全国的な出荷量の低迷にはカメムシの影響あります。

JAあいち豊田・営農生活部の担当者:
「他の産地ですと、カメムシの被害があって。おいしい汁の部分を吸ってしまうんですよね。そうすると梨にへこみが出てしまいまして」

 全国各地で大量発生したカメムシによる被害で、カメムシに汁を吸われたナシの表面はへこんでしまい、商品としての出荷は難しくなります。

 同様の被害は、同じく秋の味覚・カキでもみられるといい、こちらも価格の高騰につながるということです。