署員の6割超が“事件以降”の世代に…母親と子供3人が犠牲の殺人放火事件から20年 遺族が署員に「諦めないで」
愛知県豊明市で母親と子ども3人が犠牲になった殺人・放火事件から2024年9月9日で20年となります。節目の日の9日、遺族が捜査員に「事件を諦めないで」「終わらせないで」と伝えました。
9月9日、愛知県豊明市の事件現場では、殺害された加藤利代さん(当時38)の姉・天海としさん(62)が花を手向けました。
天海としさん:
「すぐに解決するであろうと、私も家族もみんな思っていたので。20年、いい報告ができないことが本当につらいです」
豊明市沓掛町の住宅で起きた殺人・放火事件では、加藤利代さん(当時38)と当時9歳から15歳の子どもあわせて4人が刃物で刺されるなどして殺害され、現在も犯人は逮捕されていません。
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警察はこれまで捜査員のべ5万5260人体制で捜査を続けてきましたが、時間の流れとともに事件への関心は薄れ、ここ1年間の情報提供は6件に留まりました。
20年の区切りの年を迎え、天海さんは、事件を風化させたくないという思いをより強くしたといいます。
天海としさん:
「里奈の写真が少ないので、何かないかなと探したら1枚出てきたので。あとは正悟が大きくなったらの夢と…」
愛知県の豊明市役所に協力を求め、亡くなった4人の写真などを展示しています。
しかし、捜査をする警察にも時間という壁があります。特別捜査本部が置かれている愛知署では、事件以降に警察官となった署員が6割を超えるまでになり、天海さんは9日、遺族の思いを改めて伝えました。
天海としさん:
「事件当日が9歳の誕生日だった。(将来の夢の)警察官になることができなかった次男の正悟も、確かに生きていました。豊明で20年前にこんな悲惨な殺人放火事件があったことを、ここにいる愛知警察署の警察官の方にはどうか知っておいてほしいと思っています」
次男の正悟さんの、叶えられなかった「警察官になる」という夢。事件の解決を願う遺族の思いは届くのでしょうか。
天海としさん:
「犯人を検挙できるのは、ここにいる警察官の方たちだけです。事件を諦めないで、そして勝手に終わらせないでください」