運転手からは人が消えたように…車のライトの反射による『蒸発現象』に注意 特に9月以降の日没前後“魔の時間帯”
この時期は日暮れが急速に早くなってきていて、日没時刻の前後1時間は死亡事故が多く発生する「魔の時間帯」とも呼ばれています。愛知県一宮市では9月24日、日没時に安全に運転するための講習会が開かれました。
■事故が急に増える「魔の時間帯」とは
9月23日夕方の名古屋駅付近の様子を1カ月前と比べてみると、全く異なる明るさです。
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この時期は、日暮れの時間帯が急速に早くなっていて、運転している際にヒヤッとした体験をすることもあります。
街で話を聞くと、「自転車はライトをつけていない人とかもいるので、そういう時に見にくかったりとかはある」「基本的に気を付けてはいるが、ライトの点灯が遅かったりすると、お年寄りや小さい子供の下校時とか、飛び出てきて危ないと思うことはある」などの声が聞かれました。
警察庁によると、1日の間で最も事故が多い時間帯は“午後5時から7時の間”です。
しかも「薄暮」と呼ばれる、日の入りの1時間前後の薄暗い時間帯で最も事故が増えるのが、9月から12月にかけてです。
事故が急に増えることから『魔の時間帯』とも呼ばれ、薄暮時に運転する際は注意が必要です。
■JAF「正直対策はない」それでも気をつけることは
愛知県一宮市にあるイオンモール木曽川の立体駐車場で9月24日、「魔の時間」を再現した講習会が開かれました。明かりをすべて消し、薄暗くなった空間を利用して日没後の様子を再現します。
講習会では、ハイビームをつけた車の前に人が通ると、“姿が消えた”ように見えました。これは、自分の車と対向車の間にある物体が、お互いのライトの反射によって運転手の視界から消えたように見えるもので、『蒸発現象』と言われています。
交通安全講習会は、JAF=日本自動車連盟の愛知支部が開きました。
JAF愛知支部の担当者:
「暗い所から(人が)入った時というのは、(人が)消えた状態が続いて、後ろに明かりがあるから『あっ、人がいたんだな』と。さらに雨が降ったりとかで路面が濡れて光が乱反射するようになると、もっと見えにくくなってきます」
蒸発現象を完全に防ぐ対策はとるのは難しいとした上で、「ドライバーが歩行者に対する意識を持って運転することで安全につながる」と話します。
JAF愛知支部の担当者:
「正直、対策はないです。見えないものは見えない状態ですので。まずは速度を落としていただく。対向車とすれ違う場合は、もしかしたら人がいるかもしれない。完全に安全が確認できるまでは、速度を落として通過していただくしか対策はないんですよね」