全国で車の逆走が相次いでいます。事故に巻き込まれないためにできることを専門家に聞きました。

■衝突事故になるケースも…全国で相次ぐ“車の逆走”

 8月15日、秋田県にかほ市の国道では緩やかなカーブで、対向車がセンターラインを飛び出して逆走し、衝突する事故がありました。

【動画で見る】車の逆走が全国で相次ぐ…専門家に聞いた“事故に巻き込まれないためにできること”「高速道路では走行車線を」

撮影者によると、衝突した車の運転手に、ケガはなかったということです。

山梨県富士吉田市では7月29日、「左」のウインカーを出しながら「右折車線」を走行する軽乗用車の姿が捉えられました。

軽は交差点に入ると、そのまま直進し、センターラインを越えて対向車線を進んでいきます。

<撮影者の男性>:
「やばい!センターライン越えてる、逆走している」
<同乗車の女性>:
「こわい、こわい、こわい」

撮影者によると軽を運転していたのは高齢ドライバーで、そのまま対向車線を逆走していきます。

撮影者の男性:
「対向車に突っ込んでいっちゃうのかなと」

その直後、思わぬ結末を迎えます。

左から飛び出してきた別のトラックが、この軽乗用車に衝突しました。

<同乗車の女性>:
「おじいちゃん 被害者なんだ…」

■わざわざ後続車を確認して「Uターン」して逆走する瞬間がカメラに

 8月30日には東海環状自動車道で、80代男性が軽トラックで逆走する様子が、カメラに捉えられました。

愛知県豊田市の「豊田東JCT」から、岐阜県土岐市「土岐南多治見IC」の手前まで、約33キロを逆走し、およそ30分後に警察が運転手を確保。幸い、事故は起きませんでしたが、高速道路の所々のカメラに、逆走の様子が捉えられていました。

豊田東JCTのカメラには、軽トラックが、後続車が通過するのを待ってUターンして逆走を始める瞬間が映っています。

その後を捉えたカメラには、あわや正面衝突しそうなシーンもありました。

NEXCO中日本の高速道路ドライブアドバイザー、林修平さんに「なぜ逆走が起きたのか」を聞きました。

NEXCO中日本の高速道路ドライブアドバイザー林修平さん:
「おそらくですが、ジャンクションの案内標識を見て、行き先を間違えてしまったんじゃないか、思い込んでしまったのではないかなと考えています。躊躇なくUターンをしている状況からすると『逆走している』認識というのはなくて」

林さんによると、こうした逆走は全国の高速道路で頻繁に起きていて、年間約200件、2日に1回以上の頻度だということです。

■“人の逆走”や“自分の逆走”に気付いたら…

 逆走に遭遇した場合の対応についても聞きました。

林さん:
「逆走車は、自分自身が正しい方向に向かって走っていると思い込んでいるケースが多いので、追い越し車線を走ってくるケースが多いです。まず速度をしっかり落とす、前の車との車間距離をしっかり空ける。そして走行車線を走っていただくと回避につながりやすいと考えています」

そして同乗者がいる場合はその場で通報する、1人の時は、近くのサービスエリアに入り、逆走車の存在を警察に知らせてほしいとしています。

逆に「自分が逆走」していることに気づいた場合については、林さんは路肩や非常駐車帯など、安全な場所に停車させ、車内ではなくガードレール外側などに避難して警察に通報するようにとしています。

2024年9月6日放送