早ければ1時間で完成…名工大教授が考案した『インスタントハウス』豪雨被害出た能登の被災地に無償提供へ
石川県の能登地方を襲った記録的豪雨では、25日も懸命の捜索が続きました。今回の豪雨では仮設住宅も浸水し、再び住まいを失った人がいます。能登地震の時にも建設された、名古屋工業大学の北川啓介教授考案の「インスタントハウス」が再び注目されています。
■中学3年生ら未だ4人が行方不明…懸命の捜索続く輪島市
中学3年生の喜三翼音さん(14)ら4人が行方不明となっている輪島市久手川町では、名古屋市消防局などの緊急援助隊の姿がありました。岡崎市から派遣された水陸両用のレッドサラマンダーも捜索に加わっています。
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25日午前10時前、捜索現場に動きがあり、テントから発見された方が救急車に運ばれていきました。
25日は女性1人が発見され、死亡が確認されました。今も行方不明となっている喜三翼音さんは、24日の捜索では名前の入った靴が見つかりました。
祖父の誠志さん:
「大変優しい、かわいい子だったんですよ。とにかく今は1分1秒でも早く見つけてほしい、それだけが願いです」
祈り続ける家族のためにも、残る3人の捜索が続きます。
■名工大教授考案の「インスタントハウス」が再び注目
今回の豪雨では仮設住宅も浸水し、再び住まいを失った人がいます。
このため、名古屋工業大学の北川啓介教授が考案した「インスタントハウス」が注目を集めています。
名古屋工業大学の北川啓介教授:
「仮設住宅に入って翌日とか数十日でこんなことになっちゃって、気持ちがガクッと落ちちゃっていますし、希望も何もないという感じなんですよ、被災された方は。せっかく先が見える状況になったのに、また振り出し以下に戻っちゃったんですよね」
インスタントハウスは、空気で膨らませたシートに内側から断熱材を吹き付けるだけで簡単に建てられます。早ければ1時間で完成し、コストも安く抑えられるのが魅力です。
北川教授:
「輪島市内の仮設住宅に来ています。豪雨でせっかくできたばかりのデッキが流されちゃっている」
北川教授はインスタントハウスを無償で提供しようと、発生翌日に被災地に入りました。目にした光景は想像を超えたものでした。
北川教授:
「地震の翌日にこっちに来た時もよりも、ひどい印象を受けたんですよ。街の光景も全然違う街になっていて、陸だったところが海だったんですね」
■能登半島地震でも被災者の支えに 26日以降建設へ
インスタントハウスは2024年1月の能登半島地震でも180棟が建てられ、被災者の心の支えにもなりました。
今回の豪雨でもすでに30件ほど要望が寄せられていて、26日以降、建設を進める予定です。
北川教授:
「仮設住宅に夢をわずかにでも託していた人がすごく落ち込んじゃっていて。救える命なんですよね、その人たちって、それを救いたいんですよ。皆さんできることが色々あると思うので、共に復興に向けてみんなで動いていけたらすごく嬉しいです」
北川教授は、被災者に無償で提供するため寄付を呼び掛けています。名古屋工業大学のトップページから、寄付を呼び掛けるサイトに行くことができます。