2軍では最下位のチーム再建…中日・井上一樹氏に新監督就任を要請「誰かがやらないといけないポジション」
中日ドラゴンズは、2024年シーズンで退任する立浪和義監督の後任として、井上一樹2軍監督に就任を要請したことがわかりました。1軍の全試合終了後に、正式に監督就任が決まる見通しです。
■就任要請に「正式にはお受けしていない」
2年連続最下位、そして2024年のシーズンもここまで最下位のドラゴンズ。退任する立浪和義監督の後任として白羽の矢が立ったのは、井上一樹2軍監督でした。
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2023年、ウエスタンリーグで最下位だった2軍のチームを再建し、最後の最後まで首位争いを演じました。
10月2日、球団側から来シーズンの1軍監督就任を要請されたという井上2軍監督は3日午前、ナゴヤ球場で「何にもないよ」と話したものの、その1時間後、改めて取材に応じました。
井上2軍監督:
「『正式にお受けします』とか『お断りします』というような返事はまだしていない。誰かがやらなきゃいけないポジションで。中日ドラゴンズの古き伝統、立浪さんがこの3年間やってきて築いたものを、自分の中で壊さないように」
井上2軍監督は勝負強い打撃で、1999年のドラゴンズの優勝などに貢献し、2009年の現役引退セレモニーでは、当時選手だった立浪和義監督から花束を渡され、涙をみせました。
指導者としても、ドラゴンズの2軍監督として2011年にファーム日本一に輝いたほか、タイガースのヘッドコーチとしても佐藤輝明選手を育てるなど、実績を積みました。
■「コミュニケーションの継続」で2軍を改革
今回の監督起用にあたって評価されたとみられるのは、2軍のチーム改革の実績です。
井上2軍監督(2024年3月):
「『負けた!切り替えて明日からや!』という雰囲気をつくるためには、普段からのチームの雰囲気はすごく大事じゃないかなと僕は思っていましたから」
そして、大切にしていることは「コミュニケーションの継続」です。
井上2軍監督(9月17日):
「たまに出る選手とかベンチにいる選手に、どういった形でケアをしてあげるかというところは大事なのかなと思います。野球以外のことでも、夕食、朝、番組、ドラマ、映画、好きな音楽、なんでもいいと思うんですよ。元気さのパーセンテージはどれぐらいなのかなということを探っておく」
選手とコミュニケーションを重ねることが、井上監督のチーム改革の鍵でした。
井上2軍監督(9月17日):
「2軍でできなかったものが1軍でできるはずがない。2軍でできたから、よしじゃあ次のステップに上がりますよと。だから、すぐそこにチャンスがあるのであれば、優勝というものがあるんであれば、みんなで取りにいくべきでしょう」
■新監督誕生へ 選手やファンも期待
今シーズン、2軍でスタートした高橋宏斗投手に、井上2軍監督について聞きました。
高橋宏斗投手:
「開幕前に2軍に落とされたときに、井上さんが僕の支えになってくれたというか、僕をもう1回再生してくれた人なので。もし監督を引き受けてくれるのであれば、来年その恩返しをしたいなと思います」
ファン:
「うれしいです。最下位が続いていたので、少しでも上の順位にいってもらいたいなと思います」
別のファン:
「変わるんじゃない。上手だと思うよ。どべの2軍を2位にもってきた以上は、ある程度の裁量があるんじゃないかな」
井上2軍監督は、1軍の全試合が終了する6日以降、正式に球団側に返答し、監督就任が決まる見通しです。