10月7日から2024年のノーベル賞の発表が始まります。東海地方の受賞候補者をまとめました。また、東京の「日本科学未来館」で、科学の面白さを伝えている加藤昂英さんには、受賞者の予想を聞きました。

 名古屋市などにキャンパスがある名城大学では、“夢の新素材”=カーボンナノチューブの発明で、飯島澄男(いいじま・すみお 85)終身教授が毎年、物理学賞・化学賞の候補として注目を集めています。

 2024年は新たに、生理学・医学賞の有力候補とされる京都大学の森和俊さん(もり・かずとし 66)と…。

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 物理学賞と化学賞の候補に挙がる大同特殊鋼顧問の佐川眞人さん(さがわ・まさと 81)を特任教授に迎えました。

 森さんは岐阜薬科大学で助手を務めた経歴もあり、いまも客員教授です。細胞のなかに異常なたんぱく質がたまるのを防ぐ仕組み「小胞体ストレス応答」の研究でノーベル賞の前哨戦といわれる世界的な賞を次々に受賞していて期待が高まっています。

 日本勢が受賞すれば、2021年の眞鍋淑郎さん(まなべ・しゅくろう)以来となります。

 東海地方では、リチウムイオン電池を開発した名城大学の吉野彰さん(あきら)さんが2019年に受賞したのが最後となっています。

 東京都江東区の「日本科学未来館」で、科学の面白さを伝えている加藤昂英さん(たかひで 26)に予想してもらいました。

日本科学未来館・科学コミュニケーターの加藤昂英さん:
「国内ですと、東京大学の藤田誠先生。MOFはあり得るなと思っています」

 化学賞の受賞があると予想するのが、分子がひとりでに結びつく「自己組織化」という現象を発見した東京大学の藤田誠さんです。

 かつて名大で教授を務め、現在も岡崎市の分子科学研究所で卓越教授を兼任する東海地方ゆかりの研究者です。発表は9日です。

 そして加藤さんは、名城大学の飯島澄男終身教授の受賞も予想しています。加藤さんによると、「フラーレン」や「グラフェン」など炭素でできた物質の研究は繰り返しノーベル賞を受賞していて、カーボンナノチューブは近年様々な場面で応用が広がってきていることから、今年こそ受賞が期待できるといいます。

 発見からすでに30年以上経ち「残念!」という瞬間を伝えることが続いていますが…。

加藤昂英さん:
「だいたい化学賞だと最初に研究されてから20~30年くらいたったときに受賞しているというケースが割と多いかなというところで、今あり得るんじゃないかと思っています」

 加藤さんがさらに挙げたのが、細胞同士をくっつける「カドヘリン」というたんぱく質を発見した竹市雅俊さんです。いまの名古屋市守山区の出身で、向陽高校から名古屋大学に進みました。