秋祭りのポスターに『中止』の文字…“戦後最短日程”の衆院選 イベントと重なり「無念」の声も
10月27日投開票の衆院選の影響で、各地で予定されていたイベントの中止が相次いでいます。運営する市の職員が投票所の仕事などを務めているためで、準備を進めてきた実行委員会からは「本当に残念です」との声が聞かれました。
■4万5千人来場の一大イベントが…
10月16日、衆議院選挙の期日前投票が始まり、戦後最短日程の総選挙が幕を開けました。東海3県で合わせて464カ所に投票所が設置され、名古屋市の東区役所でも、午前8時半から有権者が一票を投じました。
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しかし、衆院選の影響で、各地でイベントの中止が相次いでいます。名古屋市天白区では、10月27日に開かれる予定だった区民まつりが中止となりました。
地下鉄植田駅に掲示されているまつりのポスターの上には、大きく『開催中止』と貼り出され、開催されるはずだった天白公園にも、至る所に開催中止の案内が掲示されていました。
まつりを運営する市の職員が、選挙事務や投票所の仕事を務めているため、やむなく中止の判断が下されたということです。
天白区で毎年秋に開かれる区民まつり『まつり天白』は、2023年は区民の4人に1人にあたるおよそ4万5千人が来場した一大イベントです。2024年は区制50周年に向け、子どもの体験コーナーなど様々な企画も準備されていました。
中止の知らせに区民は…。
天白区民:
「今初めて知りました。仕方ないです。突然ですもん。選挙は仕方ないです。大事ですもんね」
別の天白区民:
「楽しみよりも政治の方を優先しないと、いろいろ回っていかないというか。仕方ないと思います」
準備を進めていた実行委員会は「本当に残念です。国政選挙なので致し方ない」と話します。延期も検討したということですが、学区の行事や出演者のスケジュールなど調整がつかず、やむを得ず開催の断念を決断しました。
まつり天白実行委員会の山田敬一会長:
「(中止による損失は)100万円前後はいくんじゃないかなと思っています。金額に表れない損失といいますか苦労といいますか、それも非常に大きなものでしたね。来年は今年の分も含めて、より一層いい企画をと思っております」
■祭りも投票も参加してほしい…岐阜県海津市の対策
岐阜県海津市で10月26日・27日に開催予定の「産業感謝祭」では、市役所の駐車場ほぼ全面を使って、歌謡ショーや抽選会などのステージイベントが行われます。
今回の衆院選で市役所は投票所になるため、駐車場がないとなると投票をやめてしまう人が出る恐れもありました。そこで、100メートルほど離れた「文化センター」を急きょ、投票所にすることにしました。
まつりも選挙も両方とも参加できるよう、海津市では職員の大半が出勤し、対応にあたるということです。
海津市選管事務局の担当者:
「市の選挙管理委員会としては最善の、同時に開催できる対策を打ったと考えております。市の産業感謝祭がありますので、それに併せて一緒に親子で投票していただけたらなと」