三重県鳥羽市の海上で24日、漁船が転覆しているのが見つかり、2人が死亡し、1人が行方不明となっています。

■入院する親族の見舞いに…深夜に出発か

 鳥羽海上保安部によりますと、24日午前6時半過ぎ、鳥羽市・答志島の北東の海上で、「漁船が転覆している」と漁協の関係者から通報がありました。

転覆したのは漁船「ゆたか丸」で、赤い船底をみせた状態で浮かんでいて、周囲には潜水士の姿も見えます。

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ゆたか丸には、いずれも答志島に住む漁業の西川豊博さん(76)と、旅館業の山下定宏さん(76)、妻・美智子さん(76)のあわせて3人が乗っていました。

3人は23日午後11時ごろ、ゆたか丸で答志漁港を出発しました。

伊勢市内に入院する親族の容体が悪化したため、山下さん夫婦が西川さんに船を出すよう依頼したとみられています。

■船長は「ミスするイメージない」

 ゆたか丸は出発後、連絡が取れなくなり、翌朝、答志漁港近くで転覆しているのが見つかりました。

海上保安部などが3人の捜索にあたっていましたが、通報からおよそ1時間半後、船内から山下さんを発見、その後、南におよそ8キロ離れた海上で船長の西川さんも見つかりましたが、2人ともまもなく死亡が確認されました。

山下さんの妻・美智子さんの行方はまだわかっていません。答志島に住み、普段から3人を知る人は…。

答志島の住人:
「昨日は波もなくて船長もベテランの方ですし、ミスするようなイメージはないですけどね。夜、漁に行ったりとか、だから慣れているんじゃないかなと思うんですけど。元気でしっかりした方で、どこかの岩にぶつかったのか、わかりませんね」

鳥羽海上保安部などは、引き続き行方がわからない山下さんの妻・美智子さんを捜索するとともに、転覆した原因を調べています。