4人の子育てをしながら国会へ…元大臣を破った“ママの選挙戦” 子供達に見せる「幸せのためにルールを作るお仕事」
10月27日に投開票された2024年の衆議院議員選挙では、愛知7区で自民党の元大臣を、国民民主党の日野紗里亜さんが破りました。4人の子供の母親でもある“ママの選挙戦”に密着しました。
■事前の予想は“激戦”…元大臣に挑む新人ママ候補・国民民主党の日野紗里亜さん
10月27日に投開票された衆議院議員選挙で、愛知7区に立候補した国民民主の新人、日野紗里亜さん(36)。
公示後は早朝の駅前での辻立ちから、夜の街頭演説。日野さんの選挙戦は、1人でも多くの有権者に顔と名前を覚えてもらうことから始まりました。
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日野紗里亜さん:
「総務大臣まで務められた方(鈴木淳司さん)に比べて、私は新人でまだまだ名前も顔も広く7区の有権者の方々に浸透していないところがありますので」
愛知7区には、“裏金”の発覚でわずか3カ月で辞任したものの、総務大臣を務めた自民の鈴木淳司さん(66)、そして共産の新人、鈴木弘一さん(49)も立候補し、自民の鈴木さんとの激戦が予想された選挙区でした。
選挙期間中、1日の活動を終え、午後8時に事務所に戻ると、足早に自宅へ。
日野紗里亜さん:
「ただいまー。ご飯食べた?お風呂は?」
日野さんは小学4年生の長女と、2年生の三つ子の男の子のお母さんです。選挙期間中でも、子供たちとの時間を大切にしています。
子育てをしながら選挙戦に臨んでいますが、夫の健吾さんも当初は戸惑いがあったといいます。
日野さんの夫・健吾さん:
「最初はやっぱり不安が大きくて『なんでこのタイミング?』とか正直思う部分はあったんですけど、やる価値というのはあるのかなと日々(気持ちが)増していったので、今はそこの気持ちの部分では変わって、しっかりと支えていこうという気持ち」
家族に支えられながら、初めての選挙に挑んだ日野さん。最近、学級委員に選ばれた長女、杏南(あんな)さんの様子が気になるようです。
日野さん:
「学級委員ちゃんとやってる?バッジももらえるの?」
日野さんの長女・杏南さん:
「うん。ここの名札に」
日野さん:
「名札につけるやつだ。じゃあママもバッジつけられるように頑張るわ」
多忙を極める選挙期間中も、子供とのコミュニケーションを大切にしています。
日野さん:
「選挙期間の12日間というのは、本当に家族の協力を得ながら、基本的には夫であったり、私の母に協力してもらいながら。ちょっと子供といる時間は少なくなっちゃうんですけれども、子供たちも応援してくれているので」
■多胎育児の支援で感じた「政治の力」
3つ子を育てた経験から、多胎育児の支援団体を立ち上げ活動してきた日野さん。その中で感じたのは、社会を変えるために必要な政治の力でした。
日野さん:
「どうしても子育てしながら選挙に臨むって、現状すごく難しいことだと思うんですよね。いま子育ての渦中にいるからこそ、お母さんお父さんたちの気持ちが分かる、的外れでない政策が作れるというのは必ずあると思っている」
選挙戦中盤の10月19日、玉木雄一郎代表が駆け付けた街頭演説には、4人の子供たちの姿もありました。
日野さん:(街頭演説)
「私がこたびの道を志したことで、私の周りにいる20代、30代、40代、若い世代の方々が政治に関心を持ち始めました。どうせ変わらない、変わらないじゃなくて、自分たちから変えていかなければならない」
選挙戦最終日の10月26日、最後の街頭演説。駅前には日野さんを応援する多くの人が詰めかけました。
日野さん:
「政治活動、本当に大変でした。正直に申し上げます。でもくじけそうになるたびに、いつも支えてくれた人がいた。必ずいたんです。衆議院議員にならないと、皆さまのお役に立つことができないんです。だから、どうか、どうか日野紗里亜を国会に送ってください。必ず人の役に立てるような政治を行ってまいります」
そのころ、事務所ではママの帰りを待つ子供たちの姿がありました。選挙を一緒に戦った子供たちに、ママの当落を予測してもらいました。
子供たち:
「勝てると思う」
「鈴木淳司は50%勝てる。弘一には100%勝てる」
■政治家の仕事は「みんなの幸せのためにルールを作る仕事」
そして、衆議院選挙投開票日の10月27日の夕方、日野さんの自宅を訪ねました。
日野さん:
「ちょうど今から夕食で、今日は娘がカレーを作ってくれたので。ちょっと大変なことが…。カレーなのにご飯を炊き忘れていました。バタバタ忙しいと、そういうことが起こりますね。せっかく娘がカレーを作ってくれたんですけど」
Q.今日は何で作ったんですか
日野さんの長女・杏南さん:
「ママが頑張っていたから。キーマカレー」
久しぶりに一家団らんです。
日野さん:
「選挙期間中、車の中でコンビニで買ったおにぎりを食べるというのがほとんどだったので。やっぱり娘が作ってくれたカレーはおいしかったですね。できることは本当に皆さまの支えの下、やらせていただいたと思うので、そこに後悔はないですね」
そして、投票が締め切られる午後8時。日野さんの家族も事務所へ。
日野さんの長女・杏南さん:
「緊張してきた」
事務所に駆け付けた長女の杏南さんもドキドキです。
そして午後8時、すぐさま各社が日野さんに当選確実の速報。
子育てをしながら元大臣を大差で破る“大金星”でした。
日野さんの長女の杏南さん:
「おめでとう」
日野さん:
「ありがとう」
Q.何かママにしてほしいことは
日野さんの長女・杏南さん:
「原宿に行きたい」
日野さん:
「いつも(三つ子の)3人が『政治家ってどんなお仕事なの?』と聞くたびに、『みんなの幸せのためにルールを作るお仕事だよ』と答えているので『ママはその仕事をこれからやってくるね』ということを伝えたいと思っています」
子育てしながらの選挙戦を勝ち抜いた日野さん。次は、子育てしながら国会での仕事に臨みます。
2024年10月28日放送