押収したメモに“家族構成”や“金のありか”も…業者装う不審者 宅配への対応は「身分証見せて」警察が挙げる注意点
全国で強盗事件が頻発していますが、愛知県でも増加しています。愛知県警は2024年10月31日、被害に遭わないよう、実際の住宅を使って実演を交えた防犯講習会を開きました。
■増える住宅狙った強盗…警察が押収されたメモには家族構成等の詳細な個人情報
愛知県で起きた強盗事件は、2024年は9月末時点で73件、2023年の同じ時期に比べて11件増えていて、住宅を対象にした強盗も増えているということです。
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10月31日、名古屋市千種区の一般住宅で行われた、愛知県警による防犯講習会。
担当の警察官が集まった人たちに見せたのは、過去に窃盗グループから押収したというメモです。
メモの1枚目には、家族構成や、夫の出勤時間、乗っている車の特徴や生活状況などが事細かに書かれていました。
愛知県警本部生活安全部の花木佑介警部補:
「犯罪グループは、住民の資産や外出予定、家族構成、職業などの情報を収集して狙いを定めることがあります。『娘さんは別居しているけど、2~3日に1回家に来る』とか、息子さんがプリウス乗っている、1カ月に2~3回帰ってくる、こんなことが分かっちゃう」
メモの2枚目に書かれていたのは、詳細な家の見取り図です。図には何重もの丸で囲われた「金」という文字もありました。
花木警部補:
「要はここに金がある」
愛知県内で「塗装工事でにおいがする」といい住宅を訪問する方法をはじめ、犯罪グループは、インターホンでの会話や電話、SNSの投稿など、あらゆる手段を使って情報を集めています。
狙われないための鉄則は、個人情報を外に漏らさないことです。
■「身分証」や「荷物情報」の確認を…宅配業者への対応を警察が具体的に指導
業者を装ってくる不審者にどう対応すればよいのか、この日は警察官が実演で対応方法を教えました。
インターホンを押して宅配業者を装った犯人役の男性が「すいません、宅配です。お願いします」といって敷地の中へ。
そして家主が扉を開けると…。
宅配業者役:
「静かにしろ!」
家主:
「なんですか(悲鳴)」
知らない人が訪れた場合は、そのままドアを開けてはいけません。強盗に入られる危険はもちろん、下見の場合でも玄関内から見えるもので、家族構成やお金がありそうかなど、多くの情報を不審者に見せることになります。
適切な対応方法も、実演で紹介されました。
宅配業者役:
「すみません、宅配です」
家主:
「どちらの業者様ですか、身分証見せてください」
宅配業者役:
「すみません、ちょっといま身分証を持ってないんですけど、すみません」
家主:
「身分証持ってきたうえで、誰からの何の荷物か教えてください」
宅配業者役:
「わかりました、出直します」
このように「身分証の提示を求める」「わかるまで問い詰める」「宅配であれば荷物情報の確認をする」、そして確証が持てなければ、出直してもらうことを勧めています。
玄関先での対応が必要な、書留やサインがいるケースでは、チェーンロックやU字ロックをした状態で、扉の隙間から紙を受け取るように呼びかけています。
ドアを完全に開けないことで安全を確保し、加えて警戒していることが伝わり、犯人の諦めにつながることもあるということです。
■「おい泥棒!」…リモートで声を伝えることができる「スマホ連動型防犯カメラ」も
「外出時の安心」のため、愛知県警が勧めたのは不審者などの動きを察知してスマートフォンに教えてくれる、スマホ連動型の防犯カメラです。
リアルタイムで被害に気付くことができ、遠隔で声を伝えることもできます。
防犯カメラから:
「おい泥棒!すぐ警察が来るぞ!」
旅行中などはもちろん、別居する親族が見守ることもできます。
地元の住民:
「インターホンが鳴るとすぐに出て行ってしまうのは、ずっとそうだったので、それは注意しようかなと。『スマホ連動型防犯カメラ』、これは今まで知らなかった」
地元の別の住民:
「何かを守るためには、疑いの気持ちを持って対応する、用心をする、そういう意識は変えさせられました」
■それでも強盗に侵入された時のために…
今回の講習会で警察が参加者に伝えた注意点のポイントは「家の情報を漏らさない」「不審な訪問者には入念な確認を」「玄関は絶対に開けない」「遠隔操作可能な“スマホ連動型防犯カメラの活用”」です。
ただ、こうした対策をしても家に侵入されることも考えられるということで、愛知県警はそうした時に備えるための、2つの対策を呼びかけています。
1つは「逃げ場所の確保」です。家の中で鍵が掛かる場所や身を潜められる場所を確認してほしいということです。
実際に家に侵入された際には時間を稼いで通報し、助けを待つようにするためです。また、外への逃走口があれば合わせて確認をしてほしいとしています。
2つめは「非常通報装置」の利用です。ワンタッチで通報できるもので、時計型もあります。緊迫した状態で通報がスムースにできる自信がない人は、準備しておきましょう。
2024年11月1日放送