11月24日の名古屋市長選で当選を果たした広沢新市長が、一夜明け初登庁しました。新市長は「河村市政の継承」を掲げていますが、公約の実現には議会との対立を乗り越える必要があります。

■当選から一夜明け…河村前市長からの“重いバトン”

 25日朝、名古屋市の広沢一郎新市長は、報道陣を前に河村たかし前市長とともに取材に応じました。

【動画で見る】河村前市長の“後継”…広沢名古屋市長が初登庁 市議会最大会派の自民「前市長のやり方まで踏襲されると混乱」

広沢一郎新市長:
「河村さんから受け取ったバトンは非常に重いですので、自分流にどうやってそれを実現に向けていけるか。今日からがスタートだと思っていますので」

「河村市政を丸ごと引き継ぐ」と訴えた広沢新市長は、名古屋市長選で13万票余りの大差をつけ、初当選を果たしました。

広沢一郎新市長:
「河村市長の政策と理念を引き継ぐ、この一点で私は勝負しましたので、それが有権者の心に響いたんだと思います」

河村たかし前市長:
「大村知事とよ、国の4大政党があんだけ引っ付いてやっても、やっぱり市民の力の方が強いんですよ」

与野党の相乗り推薦だったものの敗れた大塚耕平さんは、選挙戦をこう振り返りました。

大塚耕平さん:
「僕と広沢さんの選挙ではなく、河村さんと選挙をやっているような、そういう面はあったと思いますね」

名古屋市役所に初登庁し、400人の職員に拍手で迎えられた広沢新市長は、花束を受け取るとさっそく市長室へと向かいました。

広沢一郎新市長:
「大変座り心地のいい椅子ですね。(Q.河村さんはコモドドラゴンとかを置いていた)そうですね、じゃあコアラでも置こうかなと。一応ぬいぐるみを持っているので」

■市議会では少数派…「市民税10%減税」実現は

 新市長の門出を祝う一方で、今後の市政運営には課題もあります。

名古屋市議会与党の「減税日本ナゴヤ」は、定数68のうち、議席数はわずか「9」しかありません。今後、公約実現のハードルとなりそうなのが、市議会最大会派の自民党市議団です。

広沢新市長は自民党市議団の控室を訪ね、藤田和秀団長とあいさつの言葉を交わしました。

広沢一郎新市長:
「市議会の皆さまとは『同じ市民のため』という、ここはもとより共通しているところですので。われわれが提案する議案に対しても、その目線であればどこかには一致点が見出せると考えております」

自民党名古屋市議団の藤田和秀団長:
「河村前市長の態度であるとか、やり方まで踏襲されると、市民は混乱しますし、当然議会も混乱することになりますから、広沢新市長さんの今後のやり方をまずは見極めて、その上で是々非々で判断していきたい」

自民党側は、まずは広沢新市長の出方を見極める姿勢のようです。

15年ぶりに誕生した新市長が「10%の減税」などの公約を実現できるのか?手腕が問われます。