愛知県蟹江町の飲食店「みかくどう」は、ランチでご飯やお味噌汁のほかにおかずがたっぷりついて、ワンコインを大幅に下回る200円で食べられるお店です。

激安価格を可能にしているのは、店主の女性の努力や、常連客との“絆”でした。

■ボリューム満点の8品でまさかの「200円ランチ」

 愛知県蟹江町の、国道1号線沿いにある「みかくどう」は、ノスタルジックな雰囲気漂う鉄板焼きのお店です。

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この日はあいにくの雨にもかかわらず、午前10時にオープンすると、次々とお客さんが来店していました。

お店を切り盛りするのは、店主の佐藤志め子さんです。

昔ながらのお好み焼きや、焼きそばが定番メニューですが、「激安」で「ボリューム満点」のランチで知られています。

この日のランチは、手作りニラ餃子に、ナスやサツマイモなどの蒸し物。

具がたっぷり入ったどて煮。

そしてご飯、赤だしと、肉と野菜入りの焼きそばが付いたボリューム満点な8品。このラインナップで価格は200円と、激安のランチです。

男性客:
「うまい!」

一緒にいた女性客:
「おいしい!」

別の男性客:
「コンビニの弁当で500円超えるでしょ、いま。それを考えたら」

また別の男性客:
「こんな物価高騰していたら普通…現在の状況ではありえないですよね」

時代に逆行する“ありえない200円ランチ”。

また、焼きそばは焼きたてホカホカのお好み焼きに変更することもできます。

■200円ランチが実現できる理由1「常連客からのもらいものと家庭菜園」

 しかしなぜ200円でランチを提供できるのでしょうか。「みかくどう」では、常連客が毎日のように食材を持ってきてくれるため、その「もらいもの」を活用しているといいます。

「みかくどう」の佐藤志め子さん:
「銀杏と柿ももらいものですわ、もらいもの」 

常連客の男性:
「イチジクなんかも採れとるんだけど、結構あげたりしている」

佐藤さん:
「キャベツ2箱、おとといね(もらった)。大根も7、8本あったかな。ランチに付ける土手煮に大根を使っている。いただくものが多いですね」

またお店のすぐ近くには、佐藤さんの家庭菜園があり、常連さんからの差し入れと、畑の野菜を使うことで、食材費はほとんどかかっていないということです。

佐藤さん:
「手作りの餃子は、畑のニラを使っている。ナスも今日のランチは、自分の畑の秋ナスを使っとる」

■200円ランチが実現できる理由2「常連客のボランティア」

 そして、200円ランチの秘密はほかにもありました。ランチタイムの厨房で、焼きそばを作っている男性がいました。

佐藤さん:
「あの、ボランティア。この人は、夜は夜で働いとらっせるもんで、ほんだでボランティア」

男性はアルバイトなどの従業員ではなく、ボランティアでお店を手伝っているといいます。

男性:
「(客として)小学生の頃から来とる、小学校3年生から」

オープンから半世紀近く経つ「みかくどう」には、子供の頃から食べにきていたお客さんが、1人でお店切り盛りする佐藤さんを助けようとかわるがわるやってきては無償で手伝っているということで、200円ランチを提供する助けになっています。

男性客:
「やっぱりお母さん(佐藤さん)の人柄じゃないですか。お母さんのこと助けたいなってみんなが思うはずなので」

佐藤さん:
「前はお子様相手だったけど、今は年金生活のおじいちゃんおばあちゃんが多い。(年金を)たくさんもらえる人がいないもんですから、喜んで食べにみえます」

常連客の差し入れと家庭菜園で食材費を大幅に節約し、お客さんの手助けで人件費もかからないことから実現している200円ランチ。驚きの安さには、納得の理由がありました。

2024年11月7日放送