笑いの力で健康に…警察官勤めあげた81歳男性が初の“漫才ステージ”に挑戦「笑わせることがこれからの人生」
岐阜県山県市に住む81歳の男性が漫才に挑戦し、12月1日、市民の前で披露しました。男性の初めての挑戦を追いました。
■プロの漫才師が登場するイベントの前に…81歳男性が市民に“初披露”
岐阜県山県市で12月1日、COWCOWやパンクブーブーらお笑いタレントのステージが開かれ、会場は笑いの渦に包まれました。
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この前に行われたのは、山県市民12人による漫才ステージです。ここで81歳の波多野光一さんが初めて漫才を披露しました。
波多野光一さん:
「お笑いが好きということで、1回こういうところでやってみたいと、人の前で話をしてみたいという思いがありましたので」
■ネタ見せで“忘れる”ことも…課題は長いセリフ
11月16日、山県市役所で開かれたのは、吉本興業の養成所「NSC」による漫才のワークショップです。「笑いの力で心と体も健康になること」を目指し、山県市と吉本興業が2023年から開いています。
波多野さんら参加者がこのワークショップの集大成として挑戦したのが、漫才ステージでした。
波多野さんの相方は、市内の介護施設で働く山崎智司さん(52)です。ネタは波多野さんの日常で起こった経験を元につくりました。
本番前、最後のネタ見せでは…。
波多野さん:
「弱冠18歳、紅顔の美少年で〜す!」
山崎さん:
「え〜なんか違わへん?」
波多野さん:
「間違えました!18歳ならぬ81歳。恍惚の美老人でした!」
つかみのボケは、ややウケでした…。
山崎さん:
「そりゃ奥さんのが1枚上手やね」
波多野さん:
「とても太刀打ちできません!……忘れた」
セリフを忘れる場面もあり、長いやりとりが続く見せ場が課題です。
お笑い芸人養成スクールNSCの金井夏生講師:
「ボケました、さらに突っ込みましたと、テンポがゆっくり進んでいると思うんですね。ちょっと説明っぽくなり過ぎちゃっているので、なるべく1文を短く」
波多野さん:
「やっぱり難しいですね。見る方とやる方では全然違いますね」
波多野さんは59歳まで警察官として勤めあげました。最近の趣味は、演歌に合わせて踊る生涯学習に通うことです。その仲間たちをお笑いステージに招待します。
生涯学習の仲間:
「そりゃ楽しみやわ〜。波多野さんの漫才が聞けるなんて、1回あるかないか」
■緊張の本番当日…ステージは無事成功「無我夢中だった」
そして迎えた本番当日の12月1日。
波多野さん:
「今までぐっすり寝られませんでした。悩んで、これはやめようかしらと思ったんですけど、相方の山崎さんが『お前のやり方でやればいい』と言ってくれましたので、ちょっと気が楽になりまして」
ステージ直前、隠し切れないほど緊張をしていた波多野さんでしたが、出番がやってきました。
波多野さんと山崎さん:
「はいど~も。山県タテジマヨコジマ(コンビ名)で~す」
練習では課題だった長セリフも、なんとかこなしました。
波多野さん:
「本当に舞台の上におるのか、どこで何をやったのか分からんような、無我夢中でした。どのくらいの人を笑わせることができるかということが、これからの私の人生だと思っておりますので、今後頑張っていきたいと思っております」