半世紀の歴史に幕…「市民マラソン」が参加者数の減少で“ラストラン” 全国レベルの大会でも定員割れなど相次ぐ
全国各地で今、市民マラソンの参加者の減少が続いています。愛知県で半世紀にわたり開催されてきた市民マラソンも2024年で終了することになり、参加したランナーなどから惜しむ声も聞かれました。
■参加者の減少で…半世紀の歴史に幕
12月15日、およそ1700人のランナーが参加し、「第50回東浦マラソン」が開かれました。
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小学4年生:
「2キロのコースに出ます。優勝目指して頑張ります」
別の小学4年生:
「(参加は)3回目。1位を取るぞ!」
10キロに出場する参加者:
「結構坂が多いんですけど、楽しみます。自己新目指して頑張ります!」
しかし、この東浦マラソンは2024年が最後の開催となります。なぜでしょうか?
東浦町スポーツ課の担当者:
「コロナ明けの大会から今年で3回目になるんですが、コロナ前のピーク時と比べるとかなり減少している。趣味・娯楽の多様化も一つ原因としてあるのかなと」
中学生以下の参加を無料にするなど、地域で一定の役割を果たしてきましたが、エントリー者数がピーク時の3割未満にまで減少し、終了することになりました。
実は、名古屋ウィメンズマラソンやぎふ清流ハーフマラソンなど、全国レベルの大会でも最近は定員割れすることもあるということです。
今回が10回目の出場となる風見尚さん(41)は、フルマラソンよりも長い距離を走るウルトラマラソン100kmの元世界記録保持者です。
風見さん:
「寂しいという気持ちはありますけども、運営してきてくれた方々、頑張って継続してきてくれた方々の積み重ねだと思っていますので、感謝しながら楽しく今回も走りたいと思います」
風見さんはこの大会で過去6度優勝していて、10キロの部は4連覇中と今大会の大本命です。
■地元の応援に支えられ“ラストラン”
ラストランとなる東浦マラソンがスタートしました。それぞれの目標に向かってランナーたちが挑戦します。
長きにわたる開催を実現できた背景には、大会を支えてきた地元の力もありました。
鈴鹿俊二さん(65)は、最初はランナーとして、時には先頭を引っ張るペースメーカーとして、また選手の誘導を務める走路員として、40年近く東浦マラソンに携わってきました。
鈴鹿さん:
「最後ということで、ちょっと悲しい気持ちになりましたね。ただ、走っている人、応援の人、知り合いの人を励まして、みんなから『ありがとう』とか笑顔があったので、すごくうれしく感じました」
優勝候補筆頭の風見さんは、熾烈なトップ争いを繰り広げ、最後の地元の声援に後押しされて、先頭でフィニッシュ!見事、有終の美を飾りました。
風見さん:
「そこら中に大きな声援をしてくれる方々がいるので、とても元気になりました」
東浦マラソンは半世紀の歴史に幕を下ろし、今後は見ている人も一緒に楽しむことができる総合的なスポーツイベントが開催される予定です。
町が紡いできたレガシーは形を変えて生まれ変わり、地域に新しい風を吹き込むことになりそうです。