従業員の37.1%が経験“カスハラ防止条例”制定へ 菊地幸夫弁護士「行き過ぎた行為は脅迫罪や強要罪に」
深刻化する「カスハラ」問題を受けて、愛知県は1月20日、カスハラ防止条例の制定を目指し、具体的な検討を始めました。条例化を目指す動きについて、菊地幸夫弁護士に話を聞きました。
カスハラの実態について、愛知県が2024年夏に企業や従業員を対象に行ったアンケートでは、従業員の37.1%が「カスハラを経験した」と答えました。
これに対し、「カスハラへの対策をしていない」という企業は63.7%あり、大村知事は対策が遅れている要因について、「カスハラの線引きが難しく、条例化で明確にしたい」としています。
カスハラ対策の条例化について、菊地幸夫弁護士は「国の法令で“カスハラはダメです”と定めているものはない。条例という形で“カスハラは良くない"と宣言するのはいいこと」と評価しました。
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カスハラ防止条例は2025年4月から東京都でも施行されますが、同じく4月に施行される三重県桑名市は、繰り返しカスハラをして警告しても改善されない場合、氏名を公表するとしています。
菊地弁護士は「一般市民を『カスハラだ』と公表するのは、企業や自治体でも判断が分かれてくると思う。抑止にはなると思うが、あくまで最終手段」としつつ、「カスハラが行き過ぎた行為には脅迫罪や強要罪、恐喝罪などのペナルティーがあるので、既存の法律で対応するのが前提」としています。