約100年前に建てられた名古屋市東区の「名古屋市市政資料館」は、レトロな作りが特徴の施設ですが、いま多くの人が訪れているのは、2024年のNHK紅白歌合戦で、人気アーティスト・米津玄師さんが舞台として使い、“聖地巡礼”で人気を呼んでいます。

■「ネオバロック様式」の装飾が特徴のレトロな「名古屋市市政資料館」

 名古屋市東区の「名古屋市市政資料館」は、1922年(大正11年)に建てられたレンガ造りの洋館です。

【動画で見る】紅白で米津玄師さんが歌い“聖地”に…脚光浴びる名古屋市市政資料館『虎に翼』の主人公もかつて働いた場所

1979年(昭和54年)まで裁判所として使われていました。見学は無料です。

19世紀後半にフランスを中心に流行した「ネオバロック様式」の装飾が特徴のレトロな建物で、映画やドラマのロケ地として使われ、度々話題になっています。

■2024年の紅白で米津玄師さんが舞台として使い話題沸騰

 いま多くの人が訪れているのは、2024年末のNHK紅白歌合戦の影響です。人気アーティスト・米津玄師さんのパフォーマンスの舞台となり、脚光を浴びています。

20代男性:
「ぜひ1度ここに来て、生で階段の部分を見たいなと思って」

20代女性:
「私が朝ドラを見ていたのと米津さんのファンで」

50代女性:
「テレビで拝見しまして、こんな素晴らしい建物があるというのを初めて知りまして」

米津さんが主題歌を担当した朝ドラ「虎に翼」の主人公で、日本で初の女性弁護士、三淵嘉子(みぶち・よしこ)さんも、実際にこの建物で働いていました。

裁判所だったころの名残は今も残っていて、100年前のステンドグラスには、罪と罰を意味する「天秤」がデザインされています。

市政資料館は、近代建築としてもとても貴重で、国の重要文化財として指定されています。

■貴重な「留置所」も入室可能…現在は市政の資料を保管する役割

 これから裁判にかけられる被告人などを一時的に収容しておく留置場は、フォトスポットとして人気だといいます。

現在、この建物は、名古屋市政に関わる資料や公文書を保管する施設として使われています。

名古屋市政資料館の副館長:
「元々は裁判所でございましたので、100年前の法廷も(復元しているので)ぜひご覧いただきたい。名古屋市135年の市政の歴史も振り返っていますのでぜひ展示もご覧いただきたい」

2025年2月21日放送