
2025年3月18日、地価が公示されました。愛知県名古屋市では、マンションの価格が高騰していて、その影響が近郊の住宅地の地価にも表れています。
■建設中の名古屋「今池駅」真上のマンション 1億円超える部屋は既に完売
名古屋市千種区の地下鉄「今池駅」のほぼ真上に建設されている「ザ・ファインタワー名古屋今池」は29階建ての高層マンションで、2026年1月に完成する予定です。
【動画で見る】ここ数年で増えて100戸以上…名古屋に『億ション』続々のなか地価が急上昇した“意外な町”「割安感出てきた」

大理石の床に、リビングは約27畳とかなり広々として、まるで高級ホテルのようです。バスルームはガラス張りで、モデルルームには大きなベッドもおかれています。

広さはおよそ100平方メートルで、名古屋市内が一望できるというこの部屋は、価格が1億7000万円~1億8000万円です。売れ行きについて聞きました。
セキスイハイム東海の担当者:
「コンスタントに契約が伸びていきまして、現状で約8割の販売が終わっている状況でございます。すごく大きなお部屋はすでに完売しているんですけれども」
1億円を超える部屋はおよそ40部屋ありますが、すでに完売しているといいます。

セキスイハイム東海の担当者:
「本来、超都心である名古屋駅付近、栄付近のタワーマンションが今までは主流だったんですが、土地が手に入らなかったり、土地が高騰していたり、建築費の高騰で。じゃあ次はどこが便利なんだろうと考えたときに、今池、千種、この辺りに注目していくと」
■6億円の物件も…名古屋でも増える億ション
名古屋市の「億ション」はここ数年で急増し、100戸以上になっていて、2024年にはおよそ6億円の物件も登場しました。

今池に近い千種駅の「千種ビル群」と呼ばれたエリアでも、大規模なプロジェクトが進められるなど、利便性が高いエリアで開発が続いています。

しかし、これから家を買う世代は頭を悩ませています。
27歳の会社員:
「名古屋じゃない所でも4000~5000万と聞くので、名古屋はもっとするんだろうなと考えると怖いですよね、いざ自分がとなったときに。諦めちゃいそうな気もしなくもないです」
27歳の公務員:
「名古屋だと家を建てるというよりは、借りるとかマンションを買うぐらいで。家を建てるとなると土地代もあるので、近隣の市町村の方が建てやすいのかなと思います」
■“名古屋高騰”で住宅地の地価上昇率は近郊自治体が上位に
その影響は3月18日に公表された地価公示にも表れています。愛知県の住宅地の上昇率トップ5をみると、1位の大府市をはじめ、いずれも名古屋近郊の自治体が並びました。

中でも2024年の22位から、5位に急上昇しているのが阿久比町です。
不動産鑑定士の松原孝文さん:
「名古屋市内が1番、住宅需要は多いわけですけれども、名古屋市内の住宅地の値段が高いと。そこは手が出ないからどこかないかというので、阿久比は周辺に比べると安いなという割安感が出てきていて」
人口およそ2万8000人の阿久比町は、名鉄河和線の駅があり、およそ30分で乗り換えなしで名古屋駅に行くことができます。また、町内の主要な施設や住宅地を巡回するバスは、無料で利用できます。

子育て世代に、町の住みやすさについて聞きました。
35歳の母親:
「子育て支援が充実しているなと思って。『あぐぴっぴ』も無料で使えるし、公園とかもいっぱいあってすごく助かっています」
29歳の母親:
「今賃貸なんですけど、家賃は安いと思いますし、家も考えていて。多分、阿久比に決めると思います。名古屋だったけど、家を探していて阿久比に家を買ったという人もいます」
また、昔ながらの田園風景が残り、四季折々の花や初夏にはホタルも見られるのも魅力の一つだといいます。

郊外にマイホームを求める動きは、今後も続きそうです。