2024年、日本を訪れた外国人の数は3600万人を突破し、過去最多となった。しかし、東海地方の空の玄関口、愛知県常滑(とこなめ)市の中部国際空港=セントレアでは、国際線の2024年の利用者数は、新型コロナが蔓延する前だけではく、開港当初の実績も下回った。コロナ禍以降、国内の空港がにぎわう中、いわば「1人負け」の状態だ。

中部国際空港で外国人に、東海地方を訪れた理由や、どうすれば積極的に訪れたくなるかを聞いた。

■韓国からの女性2人は名古屋を評価も…

 韓国から来たという女性2人は名古屋めしを堪能し、中区の大須で大好きなアニメのフィギュアも手に入れ、満足した様子だった。旅行先に名古屋を選んだ理由を聞いた。

【動画で見る】名古屋は発信力不足?2024年は国際線で『一人負け』の中部空港 外国人利用客に聞いた目的地と改善案

韓国から来た女性:
「人混みが好きじゃないので。名古屋はシンプルな街だからいい」

しかし、今回の旅行の目的地は名古屋ではなく、岐阜県の白川郷だった。

韓国から来た女性:
「冬の白川郷」

一緒に来た女性:
「インスタグラム!ピクチャー」

■「英語を話せる人を」「SNSでアピールを」中部空港訪れた外国人が提案する観光客増やすアイデア

 7日間日本に滞在したという中国からの家族客がいた。

着物姿の写真を見せてくれたが、撮影したのは京都だった。

中国から来た女性:
「大阪―京都―東京―ラストシティ名古屋!名古屋は1日、めっちゃ短い」

ブラジルから来たという姉妹が見せてくれたのは、長野県で雪を楽しむ写真。

この姉妹も、行きたかった長野への経由地として名古屋は通過しただけだった。

どうすれば、外国人が目的地として名古屋に来るようになると思うか聞いたところ、「街に英語を話すことができる人を増やしては」「SNSなどでもっと街の魅力の発信をしては」「街の中心に、大きなショッピングモールがあれば」などという声があった。

■三重の訪問率は全国27位も消費額はトップクラス

 2023年に外国人観光客が実際に訪れた、都道府県別の訪問率データでは、1位は東京(52.9%)、2位は大阪(39.6%)、3位が千葉県(37.5%)となっていて、東京は日本に来た半分以上の人が訪れ、大阪にも4割近い人が訪れている。

東海3県は愛知が11位で5.8%、岐阜が14位で2.9%、三重は27位で0.8%となっているが、三重には特徴がある。

2024年7月から9月期の旅行者1人あたりの消費額にあたる消費単価を見てみると、愛知県と同じ8.5万円で、全国で7位。

訪問率は低くても、消費額は全国トップクラスだ。

2025年3月7日放送