
愛知県犬山市の城下町で430年以上続いた酒造の一部がリノベーションされ、ホテル「宿-SHUKU-」に生まれ変わりました。長い歴史を持つ蔵の造りを生かし、犬山の伝統も取り入れています。
■犬山の歴史を感じながら…蔵の造りを残して温かみある空間を実現
風情ある街並みが人気の犬山市の城下町。目抜き通りから1本外れた場所に、4月10日、ホテル「宿-SHUKU-」がオープンします。
【動画で見る】「固定資産税や傷みで…」400年続く酒蔵の“悩みの種”だった歴史ある建物をリノベ ホテル等として新たなスタート

およそ430年にわたり、犬山の銘酒「忍冬酒(にんどうしゅ)」を造り続けてきた酒蔵「小島(こじま)醸造」の建物の一部が、リノベーションされてホテルになりました。
かつて「蔵」として使われていた建物を、丸々1棟活用した客室もあります。

長い歴史がある蔵の造りを残しつつ、改修で出た端材などを使って温かみのある空間を作り上げました。

洗面台には、犬山焼の鮮やかな赤い絵付けが目を引く手洗い鉢。

ラウンジには、犬山祭の山車に欠かせない、職人が作った提灯もあり、地元の営みを感じます。

茶室が生まれ変わったレストラン「古今(ここん)」では、庭園の落ち着いた雰囲気を感じながら、ゆったりと食事を楽しむことができます。
■老朽化や税金の悩みをリノベで解決 当主「これでご先祖様に言い訳がたつ」
この場所は、2005年に登録有形文化財に指定され、酒蔵や住宅として大切に守り継がれてきました。しかし、小島醸造にとっては『悩み』にもなっていました。

小島醸造15代目当主の鈴木満理子さん:
「固定資産税とか、古い家はあちこち傷んでくるので。保存にはどうしたらいいかっていう、すごく悩みがありまして」
そこで乗り出したのが、古民家を新しい形で活用する、行政も巻き込んだプロジェクトです。「歴史ある建物や犬山の銘酒を残したい!」という地元の人らの出資もあり、およそ4年をかけて、ホテルとレストランの開業を実現させました。

小島醸造15代目当主の鈴木満理子さん:
「ありがたいと思っております。これでご先祖様にも言い訳が立つかなと。『第二章』もまた長いこと続くといいと思っています」
ホテルとレストランは、4月10日にグランドオープンです。