
4月5日・6日、スカイホール豊田で行われた「りそなグループ B.LEAGUE 2024-25シーズン」のB1リーグ第29節。シーホース三河は東地区1位の宇都宮ブレックスをホームに迎え、GAME1は81-87で接戦の末に敗戦。GAME2も我慢の展開が続く中、4Qに一気に引き離されて61-79で敗れた。今シーズン最多となる4622名が訪れたスカイホール豊田での最終戦で、三河は悔しい連敗を喫した。
GAME1は序盤にリードを許すも3Qからクロスゲームに持ち込み、白熱した展開となる。しかし4Qに入るとターンオーバーから失点。さらに踏ん張りどころで宇都宮に何度もオフェンスリバウンドを許してしまい、白星を逃した。三河にとってはもったいない印象だったが、こうしたゲームを勝ち切るところが東地区1位を走る宇都宮の強さなのだろう。
GAME2は序盤から宇都宮が優位に進めていく。特にディフェンスの強度が高く、積極的にトラップを仕掛けてくる宇都宮に三河は手を焼いた。2Qを終えて30-37と7点差だったが、三河は30点のうちフリースローが12点とフィールドゴールの割合が少なく、点差以上に苦しめられた前半だった。
3Qに入ると少しずつ三河にもリズムが生まれ、3Q終了時点で50-54とあと一歩まで迫る。ところが、ここからGAME1同様、我慢しなければいけない時間帯にターンオーバー、そしてオフェンスリバウンドを許し、一気に突き放されてしまった。GAME2は最後まで一度もリードすることができず、フィールドゴール成功率も28.1%に抑え込まれる完敗だった。
前節、前々節とアウェーで3連勝を飾り、今節から足首の怪我で欠場していたジェイク・レイマン、そして脳震とうで欠場していた西田優大がそろって復帰。最高のムードで臨んだゲームだったが、高まった流れを宇都宮に止められてしまった。
■西田優大「もう一度、自分たちのバスケにフォーカスする」

前節、前々節は主力を欠く厳しい状況の中、ライアン・リッチマンHCが口にしていた「NEXT MAN UP(誰が代わりにやってくれるのか)のメンタリティ」を見事に体現。日替わりでヒーローが登場したアウェー3戦を、西田優大は「誰が出場しても高い強度を保てるのが三河の強さ」と誇りつつ、仲間の活躍に刺激も受けたようだ。
「(自身が欠場中に)亮伍さん、石井さん、公陽とか活躍してくれて。入団して僕も4年目で、チームの中心としてプレーさせてもらっていますけど、仲間の活躍を見て、よりこのチームをもっと勝たせたいと思いました。(エースとして)もっと責任感を持って、その気持ちを全面に出してプレーしなきゃいけないなとすごく感じさせられたゲームでした」
脳震とうからの復帰となり、心配されたコンディションも「問題なかった」と西田優大は話す。
「(アクシデントがあったのは)ホームゲームでの出来事だったので、新幹線や飛行機の移動もなかったですし、そこまで症状は重くなりませんでした。少し記憶が飛んだくらい。スタッフの方々がしっかり面倒を見てくれたので、そのおかげだと思います。(宇都宮戦について)思ったほど感覚は変わらずプレーできました。あとはワンステップ超えられるかどうか。チャンピオンシップ(CS)で活躍するとなってくると、そのワンステップが大事になってくると思うので。コンディションを上げていくことですね」
現在の順位を踏まえると、宇都宮はCSのクォーターファイナルで対戦する可能性が高いチームの1つだ。これまでの三河は、どんな相手でも自分たちにフォーカスしてきた。チームアイデンティティを掲げ、相手に合わせた「よそ行き」のプレーをするのではなく、三河のバスケを遂行するのが強みだった。しかし、今節は必要以上に相手を意識してしまったのかもしれない。
「そうですよね。そういった意味では、自分たちにフォーカスし切れなかったゲームかもしれません。ディフェンスもいろいろなチェンジングを加えながらやりましたけど、それでも相手の手の中で僕たちがプレーをしているように感じたので…。やっぱり我慢が続かなくて、あれだけ好き勝手にやられてしまうとなかなか厳しいですし、最後のタイミングで離されてしまった。もっと僕たちの展開でゲームを進めたいと感じました」
CS出場はまだ決まったわけではない。シーズンは残り11試合。CSでホーム開催の権利を得るにはライバルチームの結果次第になるが、CS出場は自ら決められる立場にある。宇都宮戦の連敗は痛かったが、西田優大だけでなく、チームにとっても、この先は自分たち次第であることを再確認するいいきっかけになったはずだ。
「先ほどの質問をしてもらって、自分たちにフォーカスすることが大切だと改めて感じました。その考えはチームに還元したいです。これまでのシーズンを戦ってきて、自分たちはどういうときにいいプレーができていたのか。それをもう一度振り返って、残り11試合、三河らしいバスケをできたらと思います」