祭人魂

 

祭人魂

放送日:1月16日(土)11:25~

カテゴリー:情報・教養

誰もが心地良い郷愁に誘われる祭り囃子の音色。そのルーツは大きく3つの伝統文化がもとになったとされている。前回、「神楽」がもとになったお囃子は、山車の練りや、各地の文化にあわせてアレンジが加わりながら、メロディが変わっていった事を知った。今回は、神事とは遠いはずの芸事である「能」や、「都市の文化」が祭り囃子にいかに影響を与えたのか、雅楽師の東儀秀樹さんが迫る。
庶民が愛した伝統芸・能楽から生まれた祭り囃子は「神事から庶民の芸術へ、そして祭り囃子となって再び神へ」という過程を経て広がった。大衆が関わり、親しみ、こだわりを残していくことで、いまに伝わっている。一方、都市の文化から生まれた囃子を探るために向かったのは、愛知県知立市。江戸時代、東西からたくさんの旅人が行き交った東海道の宿場町。そこで、多くの旅人をもてなしたのが芸者たち。彼女らの唄や音楽が溢れる場所として賑わった知立。毎年5月に行われている知立まつりの囃子は、他とは一線を画す迫力ある旋律が特徴。
「都市の文化」が影響を与えた知立まつりの祭り囃子は、郷土をこよなく愛する民衆が、多様な文化を取り入れながら確立した、地域色豊かな祭り囃子を、今も神様に捧げている。