祭人魂

長良川・伊自良川（いじらがわ）に挟まれた輪中の町、岐阜市池ノ上町。約600年前、大飢饉や疫病の流行に見舞われて以来行われてきたのが、池ノ上みそぎ祭。祭りは12月中旬・旧暦の神無月、出雲から帰ってくる葛懸（かつらがけ）神社の氏神を迎えるため、清流・長良川で心身を清め、供物を捧げる。罪や穢れの依り代・梵天を持った神職が川に入り、氏子たちを導く。真冬の長良川。水は凍てつくような冷たさ。厳しさに耐えてこそ、氏神を迎えることができる。願いは町の安寧と住民の健康。そして、コロナ禍、祭りが無事に終えられるように。今回、池ノ上町を訪れたのは、隣町・羽島市出身のBOYS AND MEN 辻本達規さん。規模を縮小してでも祭りを行うことを決断した地元の思いに触れた。年に一度、皆が顔を合わせる大事な時間。先人が遺してくれた祭りを、現代の人々が大切に守り繋いでいる。思いは、これからも・・・。