セブンルール

今週の主人公は、累計発行部数63万部と、異例のヒットをとばしている「ことば選び辞典」シリーズの企画・編集を行う辞典編集者・田沢あかね（29）。
美しい日本語や、感情を表現することばなど、テーマごとに使える言葉がまとまった類語辞典。誰もがSNSなどで文章を発信する現代に、若い世代の心をつかみ、クチコミで広がっている。

静岡県で生まれ育った田沢は、幼少時から活字が好きで「物心ついたときには文字に飢えていた」と振り返る。大学時代には国文学や中国古典を読みあさり、卒業後は出版社に入社。入社３年目から「ことば選び辞典」シリーズの企画・編集を務め、人気アニメとのコラボを成功させるなど、自由な発想でヒット作を世に送り出している。

カメラが密着していると、彼女は会話の途中に止まり、丁寧に言葉を選び直す場面も―。思案に暮れながらも、黙々と作業を進める彼女は“自分の言葉が相手にどう影響を及ぼすか”を常に考え、より適した言葉を探し続けている。

発した言葉の先には、その言葉を受け取る相手がいる。「言葉は強力なもの。人間が生きる力を得ることにも繋がり、人を傷つける毒にも薬にもなる」と話す彼女。誰もが気軽に発信できるSNS時代に、使える言葉を提供し続ける彼女のセブンルールとは？