「はこぶね」~伊勢湾台風・開拓者の60年~

更新日:2019.09.24 16:57

「はこぶね」~伊勢湾台風・開拓者の60年~

放送日:9月29日(日)13:45~

カテゴリー:情報・教養

昭和34年9月26日、開局したばかりの東海テレビも台風の取材に奔走しました。当時の取材フィルムの中に、現在の愛知県弥富市の鍋田干拓の映像が残されていました。
鍋田は、戦後の食糧増産のため、国策として干拓が始まり、入植者の多くは、長野県の寒村などから集まりました。伊勢湾台風の襲来は、彼らが鍋田で初めての稲の収穫をする目前にした秋でした。堤防は決壊して、入植者318人のうち133人が犠牲になりました。
今も鍋田に暮らす伊東加冨さん(86)は長野県阿南町から入植。台風で同郷の仲間を亡くし、遺体の捜索や火葬をするなど悲しい体験をしました。今は三人の孫たちに囲まれて幸せに暮らしていますが、台風の記憶が消えることはありません。伊東さんは、ある決意を胸に持っています。それが、「はこぶね」の計画です。唐突に見えるか…、もの悲しく見えるか…、切迫して見えるか…。台風と開拓者の60年を通じて、災害国ニッポンの備えのあり方、そして記憶のつなぎ方について見つめ直します。