愛、欲、嘘、秘密、妬み、嫉み、憎しみ、復讐、背徳、裏切り、殺人の〝ドロドロ・イレブン〟を詰め込んだ当ドラマ、全てがフォワードで波状攻撃のように主人公に襲いかかり、怒涛の展開をみせます!

 度肝を抜くセリフを連発する主人公・西條衣香を演じる石田ひかりさんは「正直、衣香には全く共感できるところはないですが、だからこそ、びっくりするような面白いセリフも思いっきり楽しんで演じることができています」と話し、衣香の心の声を女性ならではの目線で語ってくれました。時には毒のあるセリフとのギャップに、思わず、ゾーっとしてしまう視聴者も多いのでは?

 そんな石田さんに印象に残っているセリフをあげてもらうと、「基本、全部ですが(笑)、ナレーション部分の『夫のそばにいながら天井一枚隔てた間男の気配を探す、女の恥知らずは底がない』(第4話)には、嘘でしょ!? 凄いセリフだなと思いました。でもやっぱり一番印象的だったのは、台本を見た途端に絶句してしまったこのセリフ。『たとえ……あなたが殺人犯でも愛してる』(第6話)と、『私は……あの男が殺人犯でも愛したの……』(第7話)です。衣香は同じ(意味合いの)セリフを2回言っていますが、さすがにこのときには、衣香の感情を込めて、私はちゃんとセリフ言えるのだろうか!? と思ったほどでした(笑)」と語ってくれました。

 

 そんな外連味あるセリフについて、東海テレビ・後藤プロデューサーは、「石田さんもおっしゃっていますが、旺季さんの独創的な世界観の住人になるのに、石田さんを始めキャスト全員が本当に苦労したと思います。あの高畑さんでさえ、打ち上げで『本当に不思議な世界観だったわね』って、おっしゃっていた位ですから(笑)。
 昔、学校行って前日のドラマの話とかみんなでしませんでした?これこそがテレビ本来の醍醐味だと思うのです。今は時代が変わって、リアルタイムでSNSを通じて感想を共有できる時代になりましたが、是非、視聴者のみなさんにもあの頃のような楽しさを体験していただきたく、旺季さんに“外連味あるセリフ”をお願いしました。私の予想をはるかに上回るぶっ飛びっぷりでしたけど(笑)。
 個人的に一番思い入れのあるセリフは、やっぱり1話の瀬野のセリフの『誰も気付きはしない。世の中に忘れさられた者が集う、それが屋根裏だから』ですかね。バイオリンを全力で弾いた後に注意されて、それ言うって皆さんツッコまれたのではないでしょうか(笑)?あのシーンでこのドラマの一つの見方を視聴者の皆さんに提示出来たと思っています。印象に残っている理由として、実はもう一つあって、今井さんのそのシーンの台本を見た時に、セリフ読める?って聞きたくなる位、ビッシリ書き込みがしてあったんですよ。何度も何度も自分の中でどういう風に言うか、検証してくれていたのが嬉しかったですね」

 最後に、脚本家・旺季志ずかさんの独創的な世界観について、石田さんは「随分慣れてしまっています(笑)。傍から見たらとんでもないセリフも、最初に感じた違和感や驚きが日々薄れているんです。でもそれは、私一人が突出して外連味あるセリフを言っているわけではなく、キャスト全員が思わず突っ込みたくなるようなセリフを真面目に言っているからでしょうね。そのせいか大変な現場でも常に笑いが絶えずとても楽しかったです。視聴者の皆様にも最終話まで、この世界観を楽しんでいただけたらとても嬉しいです」と語ってくれました。