去年11月、愛知県岡崎市の集合住宅で男性が殺害された事件が、4日未明に急展開しました。強盗殺人の疑いで男2人を逮捕。仕事の資金難から金銭目的で犯行に及んだとみられています。
実は、逮捕された2人は「遺品整理」や「特殊清掃」といった仕事も手掛けていて、事件現場にはそのノウハウを悪用した証拠隠滅の跡が残されていました。
保育園の運動会、園児たちを見つめる白いシャツを着た男。去年9月に撮影された映像の様子です。
この男が強盗殺人容疑で逮捕された岡崎市の土木建築業・鈴木悠太容疑者(37)です。
鈴木容疑者は会社の作業員・林淳一容疑者(40)と共謀。去年11月14日ごろ、岡崎市日名本町の集合住宅で、貸金業をしていた河原薫さん(当時49)の首などを刃物のようなもので刺し殺害したうえ、乗用車を奪ったなどの疑いで、4日朝、送検されました。
逮捕の知らせを聞いた河原さんの父親は…。
河原さんの父親:
「息子は帰ってこないけどね。これで朝、息子の水を替えてやって拝んでやって。『見つかったぞ』と報告しかないわな。つらかったな。もう仕事しとっても寝ても覚めても、すぐこの頭の中にあった」
岡崎市内のマージャン店の防犯カメラの映像には、マージャンをしている河原さんの姿が…。その後、ダウン姿で店から出ていく様子もカメラは捉えていました。この映像が撮影された翌日に事件に巻き込まれたとみられています。
また、事件発覚の当日、林容疑者のものとみられるSNSには…。
<林容疑者のアカウントとみられるSNS>
「岡崎市事件多過ぎ、、、」
と、事件と無関係を装う内容の書き込みをしていました。そもそも事件の発端は、何だったのでしょうか。
岡崎市で土木建築業を営む鈴木容疑者。警察などによりますと林容疑者とは20歳のころに知り合い、その後鈴木容疑者が立ち上げた会社で林容疑者も働いていたといいます。
鈴木容疑者が別名義で立ち上げた会社のホームぺージを見ると、業務欄に「特殊清掃」や「遺品整理」の文字。孤独死の遺体が残された部屋やいわゆるゴミ屋敷などの片づけをする仕事です。
その会社の従業員だったのが林容疑者。プロフィールには得意とする業務として特殊清掃、脱臭と記載してあります。
(リポート)
「2人は河原さんを殺害した後、証拠隠滅を図っていたとみられています」
捜査関係者によりますと室内からは金庫にあった金品のほか、防犯カメラのハードディスクや、河原さんのスマートフォンなどもなくなっていて、犯行後2人が持ち去ったとみられています。
綿密に証拠隠滅を図ったのか…。捜査関係者は「遺品整理の仕事をしていたからか、後処理が手馴れている」と指摘しています。
(リポート)
「鈴木容疑者は自宅で仕事をしていたとみられ、会社は資金繰りに困っていたということです」
以前、一緒に働いていた元従業員は…。
鈴木容疑者の会社の元従業員:
「お金のトラブルは、会社の資金繰りが良くないというのと、林の方は給料もらってないと言ってたんで。11月分だから、12月末の給料をもらっていないとか。一回僕に聞いてきたのが、闇金にお金を借りて800万くらい払ってると。もうだいぶ払ってるんだけど、2000万くらいまだ請求が来てどうしたらいい?って聞いてきたことがあったんですけど」
給料が支払えないほど、資金繰りは行き詰まり、2000万円あまりもの借金を抱えていたといいます。
林容疑者の知人:
「ここ1~2年はずっと食えないというのは聞いてました。月に1件も仕事あるかないか分からないという状態なんですよね。もう月に10万円くらいしかないって、生活費が。いや、まったく思えんですよ。彼(林容疑者は)、仕事に関してはすごいストイックで、お客さんのためになろうとすごいやってるやつでしたから」
一方で、貸金業を営み、多額の資金を持っていた河原さん…。2人と河原さんとの間に面識があったのかは分かっていませんが、金銭目的で犯行に及んだとみられています。
調べに対し、容疑を認めている鈴木容疑者と、否認している林容疑者。
警察は2人と河原さんとの関係を詳しく調べています。
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