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クランクインリポート

 本作の撮影が始まったのは、7月上旬。まさに夏本番といった青空が広がる晴天の中、茨城ロケにて、若村麻由美さん演じる衆議院議員の小野寺友紀子が、内閣府特命担当大臣に任命されたというシーンから始まりました。

 「よろしくお願いいたします」と軽く会釈をして現場に入った若村さん。小野寺は、内閣官房長官の向井原(大河内浩さん)から、任命の報告と、「結婚見合い抽選法」の法案を任され、困惑しつつも承諾します。意外にも政治家の役は初めてと話す若村さんは、事前にスタッフと小野寺のイメージ共有を重ねてきたそうで、この日は爽やかなパンツスーツ(あまり攻撃的に見えないような衣装 ※スタッフ談)の出で立ちでした。ひとつシーンが終わるごとにモニターでチェックをして、監督と話し合いを進めながら取り組んでいる若村さんの姿が印象的でした。

 数日後、宮坂龍彦役を演じる主演の野村周平さんが、龍彦の部屋のシーンからクランクインを迎えました。最初に龍彦の部屋に入った野村さんは、「綺麗にしているね、この部屋なら俺住めるよ」と、部屋をチェックし始めます。1DKの龍彦の部屋は、6帖+6帖ぐらいの間取りで一人暮らしには住みやすそう。キッチンはコップやお皿など、水周りもきちんと片付けられて清潔感ある感じ。ただ、いたるところに除菌、抗菌グッズがあるというのが潔癖症の龍彦らしいところ。そしてメインのお部屋は、グレーを貴重としたベッド周りに、趣味のファミコンやスーファミなどレトロゲームが置かれています。整理された本棚にはアニメ関連の本や、雑誌で知識を得ている龍彦らしく、『dancyu』が何冊も。壁にはアニメキャラクターが貼られていました。

 炊飯器からご飯をよそい、鍋からカレーをよそう龍彦。これが、“彼女いらず”と友人の北風(松本享恭さん)にも好評の“たっちゃん作カレー”。「これ、本当においしそう」と野村さん。その後、龍彦のアパートに集まった鯨井(加藤雅彦さん)、北風と一緒に、「抽選見合い結婚法」について議論するシーンでは、鯨井役の加藤さんのアドリブについ笑ってしまった野村さん。みんなで場を和ませます。真夏の部屋の中で、実はこのシーンの設定は4月。皆さん長袖、重ね着姿で大奮闘。現場スタッフが熱中症予防に、お茶や水などのペットボトルを何度も何度も周囲に配っていたのが、夏の撮影らしい一幕でした。

 その数日後、朝からムードのある高級レストランでクランクインを迎えた、冬村奈々役の高梨臨さん。奈々のいきつけのこの店で銀林嵐望役の大谷亮平さんと向かい合わせで食事をしています。この日、いくつかレストランのシーンを撮影したふたり。結婚を迫る奈々を、あっさり振った嵐望……。思ったことをはっきり言うのにどこか憎めない。そんな銀林嵐望をよく表しているシーンでもありました。

 国に強制されたお見合いによって、現代のリアルな社会問題と直面。もしもの世界が生んだ現代のリアリティ、土曜の夜は、オトナの土ドラ『結婚相手は抽選で』をお楽しみください!