毎週土曜より11時40分

インタビュー

大河内葉子役 田中麗奈さん

原作を読まれた感想を教えてください。
 とてもおもしろく、するっと読んでしまいました。最後まで飽きずにスリルがずっと続いていて、葉子の性格が判っていたはずなのに判らなくなってしまったり。でも、やっぱり期待を裏切らなかった部分もあったりと、私自身、彼女に翻弄されてしまいました。葉子という人物にとても興味が沸きました。
大河内葉子という人物をどう捉えましたか?
 彼女は天使と悪魔が共存している人だと思います。社会的に普通に暮らせているので信用度もありますし、仕事熱心な女性外科医ということで、患者さんからの信頼も厚いところは天使の部分。ただ、それと全く違う悪魔の部分での彼女も存在していて、人の苦しむ姿を見ることを強く求めてしまう。男性と2人きりになったときなどは、彼女の喜びが人と違うことなどがあるんです…。
葉子に興味を持った部分を具体的に教えていただけますか?
 自分の中に悪魔が存在することに疑問を感じているところです。葉子は医師として人を助けていることに、「なぜ喜びや感動を感じないのか?」「私はいったい何をしたら心が動くのだろう」と、疑問に感じています。そして医師として真逆の行動を取ったときに、自分はどういうリアクションをするのか? と、いう部分に興味を持っているところなどです。
 他人とは違う自分の感情すらわからないところが彼女はあると思います。ドラマも葉子に共感や好感を持つという部分には走っていないと思うので、そこが今回のドラマの世界観につながるのではないでしょうか。
葉子という女性を演じることのやりがいや、難しいと思う点はありますか?
 香坂さんの書かれた脚本が本当に面白くて、原作の軸はしっかり中心にあるのですが、深夜ドラマとして視聴者の皆さんに恐いサービスもいっぱいあります。更にステーキを食べるシーンなどは、原作よりもわかりやすく彼女のキャラクターを出していると感じました。私自身、葉子にとても興味があるので、こういう人と決めつけずに、好奇心を持って演じて行きたいと思います。
今まで田中さんが演じてきた役とは、かなりイメージも違うと感じました。
 そう思っていただければ本当に嬉しいです。私もとてもやりがいのある役に出会えたと思っていて、女優として別人格を演じる作業はとても楽しいです。自分も葉子の心理を解くように興味を持って演じていきたいです。心理ゲームに入っているワクワクさのまま演じきれたらなと思います。
女性医師役も初めてということですね。
 (演技の上で)医師として信頼されているというところが大きいと思うので、そこは違和感なく女性医師に見えるよう演じていきたいです。プラス心理サスペンスなので、いわゆる彼女の女性医師らしからぬ、真逆の顔の部分には特に注目していただけたらと思います。
自分のこういうところが悪魔チック…みたいに思えるところはありますか?
 忙しくしていると睡眠や食事に余裕がなくなって、少し穏やかではない自分がふわっと沸いてくるんだなと思うときはあります。ただ、自分の中では、私はたぶん基本的にはいい人のほうに分類されるとは思ってはいるんですけどね…(笑)。
視聴者の皆さんにメッセージをお願いいたします。
 まず物語がとてもおもしろいので、葉子の怖さで楽しんでいただきつつ、実は葉子にも深い心の闇や悩みがあったということに気付いてくださると、よりドラマを楽しんでいただけるのではないでしょうか。
 題材にも役にも恵まれたと思っていますし、目の前のことにエネルギーを込めて、本当に一つ一つの積み重ねだと思うので、しっかり葉子と向き合い、丁寧に演じていこうと思っています。楽しんで頂けたら幸いです。

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