毎週土曜より11時40分

あらすじ

イントロダクション

美人外科医のウラの顔、
自分でも理解ができない本当の顔とは…
空虚が女神を、悪魔に変える…

とある教会のミサで神父は言う。
「悪魔は埃(ほこり)に似ています。誰も気づかぬうちに、目立たずそっと忍び込み、たまっていくのです。みなさんの心の中に…」

後方の席で神父の言葉を聞いている女性・大河内葉子。その美しくも無表情な顔からは、彼女の内面がまったくうかがい知れない。

一方、作家志望のとある青年・難波聖人は、腹部に猛烈な痛みを覚え、 大学の山岳部のOBで面識のあった医局長の吉田誠のいる病院に駆け込んだ。
対応するのは、白衣の医師・葉子。

虫垂炎だと診断し、てきぱきと指示を出す葉子。
激痛に耐える難波の顔を両手で包み込み、優しい声をかける。
美しい女神のような葉子の姿に、難波は地獄の痛みが和らいだ気がした…
手術は無事に成功し、入院することになった難波は、愛想のいい清掃員・芳賀明善と出会う。
少しおせっかいだが、院内の事情に詳しい芳賀とすぐに意気投合する。そして何より、美しく優秀な葉子が担当医になったことに喜ぶ。
しかしそれは、大いなる絶望と破滅への入り口であった。

―病院内で奇怪な事件・トラブルが相次ぐ。

病室の引き出しの奥に挟まっていた不可解なメモ…。
認知症の老婆に対する医療事故…。
少女が謎のアレルギーで死の淵に…。
偽のカルテにより病状が悪化していく患者…。

―果たして、これらは誰かの悪意の所業なのか、それとも…?

一方、葉子のプライベートもまた、ある意味奇怪なものであった。
度々、教会の神父のもとを訪ね、懺悔室で思いを吐露する。
俗物である御曹司・大塚光の猛アタックに応えるも、妖しくねじれていく関係。それは、葉子自身にしか解らない深い闇、葛藤、虚しさに、もがき苦しんでいく姿だった。

患者、同僚、恋人、父親…複雑に絡み合う事件と人の心。
人間の本質に巣くう「悪意」とはなんなのか。
誰の心にも「悪魔」が埃のようにたまっていく可能性があるのではないか。
全てのオトナに問いかける究極の心理サスペンスは、
衝撃の結末へと転がり進んでいく…。

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