静岡県の知事選挙は20日に投開票があり、現職の川勝平太知事が4選を果たしました。リニア工事に慎重な姿勢の川勝知事の再選に、リニアを待ち望む東海3県の関係者からは戸惑いの声が聞かれました。

 静岡県知事選で4選を果たした川勝知事。自民党の推薦を受けた元国土交通副大臣の岩井茂樹元参院議員を大差でくだしました。

 今回の知事選で争点となった「リニア中央新幹線」。選挙戦で川勝知事は、静岡県をかすめて通るリニアのトンネル工事について、大井川下流の水資源や南アルプスの生態系に影響をもたらしかねないと慎重な姿勢を示していました。

 すでに2027年開業に黄色信号が灯っているリニア。開業の遅れは決定的になってしまうのでしょうか。

 リニアの駅が建設される予定の中津川市坂本地区。

坂本地域まちづくり推進協議会の市岡会長:
「あの竹藪のところがトンネルの出入り口になるね。JRには時々どのくらい遅れるのと話題にするんですけど、全然動かないですね」

 地区の代表としてJRなどとの交渉を行ってきた、坂本地域まちづくり推進協議会の市岡勉さん(77)。開業予定の2027年までカウントダウンするカレンダーなども作成。リニアとともに発展する未来を描いてきましたが、今回の選挙結果に戸惑いを隠せません。

市岡さん:
「あんなに圧倒的な強さで得票率もそこそこあって再選されましたので。もうちょっと現実を見ていただけるとありがたいなという気がします。静岡県の計画じゃないんですよね、この計画は」

 あるカラオケ喫茶は、リニアの駅の建設のため立ち退く形で移転し、去年10月に新たな場所に開店しました。

 新型コロナも重なり苦しい状況の中、リニアの早期開通に期待を込め営業を続けていています。

カラオケ喫茶の荻野さん:
「商売をやっていますので、車両基地ができたり整備工場ができたりすると、この辺も変わってくるかなと思いましたので。ぜひできるものなら早く進んでもらえればいいかなと思っております」

 リニアの沿線自治体で作る建設期成同盟会の会長を務める愛知県の大村知事は…。

大村愛知県知事:
「選挙ですから、特定のテーマというよりも総合的に静岡県民の皆さんが投票された結果ということでありますので、その結果は率直に受け止める」

一方、JR東海はコメントを差し控えています。