名古屋市と愛知県豊橋市を結ぶ国道23号「名豊道路」が2025年3月8日、全線開通しました。信号がなく名古屋から豊橋へ約1時間で移動できるとされていますが、実際に車を走らせて検証しました。

■名古屋-豊橋間が1時間は本当か…実際に検証

「名豊道路」は1972年に事業が始まって半世紀以上かけ、3月8日、全線開通しました。無料で信号がなく、名古屋市から豊橋市まで72.7キロの全区間が「1時間」とされています。

【動画で見る】名古屋ー豊橋1時間のはずが“倍”…全線開通の“名豊道路” 実際に走ってみたら半分以上が片側1車線で各地渋滞

今回は、豊明ICから「蒲郡バイパス区間」を通り、「道の駅とよはし」を目指しました。

豊明ICを出発し、まもなく尾張と三河の「境川」に差しかかりました。川を渡ると刈谷市に入りますが、走り始めて3分が経った午前10時57分、刈谷市に入って早速渋滞です。

ここは法定速度60キロの道路ですが、40キロでしか走れない状況で、進んだり止まったりの繰り返しです。

■続く渋滞…ストップウォッチを止めて道の駅へ

 その後、安城市で一旦渋滞は解消されましたが、西尾市に入ると長い渋滞が続いていて、完全に流れが止まりました。

運転手:
「普通に流れる所なんですけど、ここでこんな渋滞の経験はないですね」

二車線あった名豊道路ですが、「西尾東IC」から片側一車線への合流で渋滞が続きます。

渋滞が続いていたため、午前11時50分、ストップウォッチを止めて幸田町で「道の駅 筆柿の里・幸田」に寄りました。この道の駅も全線開通の影響で、週末の土日は通常の1.5倍近くに利用者が増えたといいます。

道の駅 筆柿の里・幸田の駅長:
「半世紀ぶりですかね、開通したということで、たくさんの方が一度に押し寄せられたのかな。慢性的な渋滞になってしまいまして、逆にご利用していただけたのかなという感じがしました。駐車場は完全に足りない状態ですね。特に平日は大型車両がたくさん入りますので」

■続く渋滞…ドライバーの声は

 ドライバーからは、渋滞疲れの声があがっていました。

トラック運転手:
「大きいのが増えたね。トレーラー関係。不便になった。渋滞が多くて」

半田市から来た人:
「いつも夜中の下道で2時間半とか、30分くらい早くなったんじゃないですかね。いま(帰り)はめちゃくちゃ混んでいます。時間帯によるんですかね」

取材班も1時間の休憩を終えて再び走り始めますが、その後も断続的に渋滞は続きました。新しい蒲郡バイパスでも渋滞です。

この辺りは高い所で、景色もきれいでとても走りやすい道ですが、一車線で渋滞しています。名豊道路は全体の半分以上が片側一車線です。

■約1時間のはずがゴールまでにかかった時間は倍近く

 そして、いよいよゴールの「道の駅とよはし」に到着しました。かかった時間は2時間56秒で、休憩に使った1時間を除いても、想定していた時間の倍近くとなりました。

「道の駅とよはし」は、豊橋の名物カレーうどんや農産物が人気ですが、利用客が増えているようです。

道の駅とよはしの駅長:
「(利用客は)3〜4割ぐらい増えたような気がいたします。『バイパスが混んでいて、なかなか早く着けなかった』という声や、『駐車場どこ止めればいい?』というのが私どもの課題にはなっておりますけど、整備しながら来場者を増やしていきたいなと思っています」