小4で呼ばれてない中学校で堂々練習…ソフト『後藤希友秘話』なぜ彼女は20歳で日本の救世主となれたのか
オリンピックで悲願の金メダルに輝いたソフトボール日本代表。幾度のピンチで日本の救世主となったのが、名古屋出身の後藤希友投手(20)です。
後藤投手のマウンド度胸の秘密は…。小学生でありながら中学生の練習に突然参加するなど、そこには日本の守護神になるべくしてなった知られざるエピソードがありました。
■子供の頃からの物怖じしない性格…誰にも負けないマウンド度胸のルーツ
後藤投手:
「私の武器はマウンドでの度胸というか、イケイケな感じで投げている。三振とった後とかに、すごいガッツポーズをしているんですけど…」
【画像20枚で見る】救世主として活躍した女子ソフトボール日本代表の後藤希友投手のマウンド度胸のルーツとは
マウンド度胸は誰にも負けない。そのルーツとも言えるのが、高校時代にありました。名古屋市にあるインターハイ常連の名門・東海学園高校ソフトボール部時代に後藤投手が培った「声出し」。毎朝、登校時に行っていました。
後藤投手(高校時代):
「自分たちが徹底していることに、声出し。この挨拶をすることによってプレイ中でも声を出せるようになるので、自分はすごくいいと思っています」
後藤投手の小中学生時代を知る恩師は…。
後藤投手を指導した住田さん(67):
「(小学4年生の時)誰も呼んでもないのに中学校の中に入ってきて、何の違和感もなく、さも呼ばれて来たんだみたいな感じで大きい顔して堂々と立ち振舞っていた」
当時、小学生でありながら中学生の練習に勝手に参加していたといいます。
住田さん:
「そういったところがあの子の良さだし、また魅力かもしれんですね」
子供の頃からの物怖じしないその姿勢が、金メダルへの道を切り開いたのかもしれません。
■猛練習は本番の2か月前から…強豪国を抑えた魔球「チェンジアップ」
上野由岐子選手:
「(後藤投手は)力のある重いボールを投げられるので、今までの日本人サウスポーにはなかったタイプだと思いますし、日本を背負っていってほしいなと。期待は大きいですね」
レジェンド上野投手も称賛する将来の日本を背負うサウスポー。そんな彼女の武器の一つが、最速115キロを誇るストレートと、「チェンジアップ」です。
後藤投手:
「真っすぐだけじゃ相手チームも倒すことはできないのは分かっているので。チェンジアップはすごく大事なものになります」
オリンピックの舞台でも通用した決め球、「チェンジアップ」。しかし、恩師の住田さんによると後藤投手は、中学2年の頃には球速90キロを誇る速球派で、球種はストレートだけだったといいます。
チェンジアップはいつ完成したのか…。後藤投手が所属するトヨタ自動車のチームメイトでキャッチャーの切石結女(きりいし・ゆめ)選手は、チェンジアップを猛練習していたのは、オリンピックの2か月前の5月だったといいます。
切石選手:
「いろんな握り方にしてみたり、どんな投げ方だったらブレーキが利いたチェンジアップが投げられるかを試行錯誤して…」
本番のたった2か月前…。オリンピック合宿に入ってから様々な人からアドバイスをもらいチェンジアップは出来上がったといいます。この努力のボールが、オリンピックでの奪三振ショーにつながりました。
■マウンドで「緊張」から「ベストパフォーマンス」へ…武井壮直伝「緊張を楽しむ心構え」
今年5月。武井壮さんとの対談の際、後藤投手が質問した内容が…。
後藤選手:
「試合に臨むにあたって、緊張しいというかプレッシャーを感じてしまって、立ち上がりが結構悪いことが多くて…」
マウンドでの自信満々な姿とは裏腹に、後藤投手は試合前はかなり緊張してしまうといいます。武井さんからのアドバイスは…。
武井壮さん:
「勝負だっていう日に緊張感がなかったら、アスリートとして準備できていなかったっていうことだと思う。その緊張感がある時に出る自分の力が一番の力」
「緊張感があるということは、きちんと準備ができてマウンドに立てている証なので前向きに」と武井さんからのアドバイス。
後藤選手:
「わかりました。すごくわかりやすくて、ありがたいです」
「緊張」から「ベストパフォーマンス」へ。出場した試合すべてを無失点で抑えた神がかったリリーフ。武井さんからのアドバイスが助けになったのかもしれません。
金メダルから一夜明けた会見で後藤選手は…。
後藤選手:
「すごく素晴らしい経験をたくさんの試合で積ませていただいて、1球1球全力で投げていたんですけど、楽しかったという思いがすごく強かったです」
いつかは日本を背負うエースへ…。ソフトボールの次世代のヒロインの挑戦はまだまだこれからです。