ロケ2日目は、台湾近郊にある白沙湾という海岸での撮影から。トンボが大量に飛ぶ中で撮影がスタート。奈緒子と宗佑が浜辺を歩く場面(第8話)では、最初から二人は手を繋いでいる設定でしたが、羽田さんが「並んで海を見るところから手を繋いでいいですか?」と監督に。なるほど、ゆっくり互いの手を握り合うことで、二人がさらに絆を強めている心情がより表現されていました。
撮影中に現地観光客がたくさんやって着ましたが、日本のドラマを撮影していると分かると大盛り上がりに。お年を召した方も多くいましたが、かなりテンション高く撮影を見学していた人もいました。
浜辺に設けられた休憩所では、奈緒子と圭子が語り合う場面(第8話)の撮影が。休憩所にあるのぼりが強風に大きな音をたてながらあおられていました。音声を拾うマイクがこの音を拾ってしまうため、本番中、手の開いているスタッフさんが押さえる一幕も。
この後、撮影クルーは台湾市内に戻り、正午から真夜中までの予定で、宗佑が働く小籠包の店で撮影を。この店の看板娘、リンメイを演じるのは22歳のワン ユー シェンさん。
撮影前には「私、頑張るね」と少したどたどしい日本語で意欲を。
撮影に入る前、美術スタッフさんが監督からの指示で、宗佑がかぶる店のロゴの入った帽子を店の前にある植木の土で汚すことに。まず津田さんに何も考えずに帽子を取ってもらったり、かぶってもらったり。津田さんが帽子をどの箇所で持つか確認した後、その部分を汚します。監督は、「肉をこねた指で帽子をさわっているなら、特定の箇所が肉の脂で汚れているはずだから」と。さりげないけれど、深いこだわりですね。
ちなみにロケでお借りする「明月湯包」は最近、台湾の食通の間で「台湾で小籠包が一番美味しい店」と評判の店。実は撮影クルーの夕食はこの店で取ることになっていると撮影直前に聞かされ、スタッフも大喜び。
撮影ではさっそく、宗佑が志乃に頬を叩かれる場面を。野際さんは、「台湾の皆さんが、この撮影を見て、日本人はすぐ人の頬を叩くんだ、と誤解しないかしら」と。ちなみに本番は1回でOKとなりました。
撮影をしていると、意外な人が現場に陣中見舞いにやって来ました。今日1日オフの小林さんです。笑顔でスタッフさんたちに「頑張ってね~」と告げるや、フラ~とどこやら目指す場所に向かって行ったのでした(笑)。
それにしても、店の周辺はバイクだらけです。道路を走っているのも車よりバイクのほうが多いくらい。台湾の若者は男性はそのほとんどが、また女性も約半数がバイクを所有しているとのことでした。信号待ちをしていたバイクの大群が一斉に走り出すところはかなり迫力がありました。
撮影では奈緒子に親切にする若者役で現地の若手俳優が二人出演(第8話)。まさに“華流スター”のような雰囲気で、数少ない女性スタッフも大いに盛り上がっていました。
スタッフ一堂楽しみだった夕食についてもお伝えすると、普通の小籠包だけでなく、キムチ小籠包や海老シュウマイ、それに焼きギョーザにジャージャー麺、野菜の炒め物、サラダ、ピータン豆腐…とかなりボリュームのある食事を味わうことに。「う、うまい!」。夕食後には撮影を再開しなければならないので、食事の際はノンアルコールでしたが、「ああ、ビールを飲みたい!」と多くのスタッフさんが思ったことでしょう。食事のあとにはデザートとしてアイスが。これは野際さんからの差し入れです。
おいしい食事で精がついたおかげか、この日の撮影は予定より1時間近く早めに終了しました。