天気に恵まれた(というか恵まれ過ぎだった)台湾ロケ。この日も何と天気の良いことでしょう。夕方には帰国しなくてはいけないため、撮影最終日は朝7時から市内の住宅街で撮影開始です。昨日、最後に宗佑の家の場面を撮りましたが、その住宅街と今日の住宅街は数分の距離。ところが今日の住宅街は何と閑静なこと…。わずかしか離れてなくても、驚くほど雰囲気が違います。ちなみにこの住宅街では、圭子の家の場面(第7話)が撮影されました。台湾の住宅の中がどんな風になっているのか記者も興味があったため、家の中にお邪魔しましたが、入り口は狭いものの、家の中はとてもうゆったりした作り。外見から受ける印象との大きな違いに驚きました。
次は宗佑の下宿での場面(第9話)を撮影。奈緒子が宗佑を訪ねたところ、宗佑がリンメイの髪のゴミを取った瞬間、偶然、奈緒子の立ち位置からは二人がキスしているように見える、という場面です。
前日から監督はどんなアングルで撮影すれば、宗佑とリンメイがキスしているように見えるのか、と悩んでいましたが…。何とあっさり絶妙なポジションが見つかったのです。これには監督を始め、スタッフの皆さんも「やった!」と喜んでいました。
羽田さんは津田さんの撮影中、わざと津田さんの目線に入る場所に。「こうして私が立っているとやりづらいでしょ(笑)」と少女のような笑顔です。さらに津田さんに「もし、若い女の子にキスなんてしたらひどい目にあわせるわよ(笑)」とも。チャーミングな羽田さんの一言で、現場に明るい笑いがあふれたのでした。
ここで時間があった羽田さんに、台湾ロケを振り返ってもらいました。
羽田さん
「もう胸がいっぱいです。仕事もいっぱいでしたけど(笑)。街の雰囲気や、湿気の感じ、スコールの感じで台湾をたん能しました。
「日勝生加賀屋」さんはもう日本ですね。日本にいるときより日本を感じました。仲居さんたちが皆さん可愛かったし、気配りも奈緒子のセリフに『日本人以上に日本人ね』というものがありましたが、心配りが素晴らしくて。
何にしても台湾に来て、現地の皆さんから優しさと明るさと元気をもらい、勇気付けられました。私自身、台湾で異国情緒にも浸れました。バイクの多さ、喧騒には驚きましたが、神様への厚い信仰や、廟に足繁く通いお祈りしている姿を見ると、日本の古き良き時代の名残というか、懐かしい情緒が残っているな、と感じました。
台湾に来て本当にたくさんの素敵な出会いがありました。現地の役者の皆さん、小籠包のお店のご主人、占いのマダム…。一週間の滞在でこんなにもいろんな出会いがあり、驚きと楽しみにあふれていましたが、私が感じたこの気持ちが奈緒子を人としてさらに成長させてくれる気がしています。
パート2はまさか、おもてなしの心が台湾から始まってビックリしています(笑)。ただ、おもてなしの心や奈緒子のおせっかいぶりはこの台湾でも健在です。奈緒子を演じれば演じるほど元気になれますし、健気でひたむきな奈緒子さんの良さを実感しました。
台湾の皆さんは本当に親切。それに撮影にも興味深々で(笑)。この場所に宗佑が居場所を見つけたものうなずけたし、宗佑みたいな人は台湾に根づいて生きるが合っている気もしましたね。
もしパート3があったら…。やっぱりアジアから離れられないんじゃないでしょうか。韓国とか? いきなりパリっていうのは無理がありますよね(笑)」
いよいよ台湾ロケも終盤。帰国の途に着く直前の、奈緒子と志乃のやりとり(第10話)などを松山空港の中華航空チェックインカウンター前で撮影します。空港ではロケに使用する場所に時間制限があり、ムダな時間は一刻もありません。テンポ良く撮影が進み、とうとう最後の撮影となりました。
台湾での最後の撮影で奈緒子に「そんな~」という一言がありましたが、撮影が無事終り、スタッフさんが「これにて台湾ロケ全て終わりました!」というと、羽田さんがすかさず「そんな~(笑)」と。この後、記念写真を撮って台湾ロケ全日程が終了となりました
空港でくつろいで野際さんにも台湾ロケの感想を聞きました。
野際さん
「60年代の半ばに来て以来の台湾は、まったく当時と違いますね。何しろかつては高い建物がありませんでしたから。会見でもお話ししましたが、表示が漢字なので、何となくニュアンスが伝わるんですよ。その漢字を読んでいるのも楽しいですね。『あ~、これはこういう意味かな』と考えるのが。
また台湾の方たちは親切だし、顔立ちが私たちと一緒だから外国に来た、という気がしないです。日本との違いをあまり感じなかったおかげで演技もリラックスして出来ましたし、「日勝生加賀屋」さんに泊まれたので、その点でもリラックスできました。
今回、まさか台湾でロケがあるなんて、考えもしませんでした。昼帯でそんな大掛かりのことがあるとは思いもしなかったのでビックリしましたね。もしパート3があったら、どこから始めましょうか(笑)? そう遠くにはいけないでしょうから、東南アジアか…。あ、ハワイですね。ハワイに行きましょう(笑)」