次回放送
#326
2021.1.16放送
祭り囃子の歴史 後編
誰もが心地良い郷愁に誘われる祭り囃子の音色。
そのルーツは大きく3つの伝統文化がもとになったとされている。
前回、「神楽」がもとになったお囃子は、
山車の練りや、各地の文化にあわせてアレンジが加わりながら、
メロディが変わっていった事を知った。
今回は、神事とは遠いはずの芸事である「能」や、
「都市の文化」が祭り囃子にいかに影響を与えたのか、
雅楽師の東儀秀樹さんが迫る。
庶民が愛した伝統芸・能楽から生まれた祭り囃子は
「神事から庶民の芸術へ、そして祭り囃子となって再び神へ」
という過程を経て広がった。
大衆が関わり、親しみ、こだわりを残していくことで、いまに伝わっている。
一方、都市の文化から生まれた囃子を探るために向かったのは、愛知県知立市。
江戸時代、東西からたくさんの旅人が行き交った東海道の宿場町。
そこで、多くの旅人をもてなしたのが芸者たち。
彼女らの唄や音楽が溢れる場所として賑わった知立。
毎年5月に行われている知立まつりの囃子は、
他とは一線を画す迫力ある旋律が特徴。
「都市の文化」が影響を与えた知立まつりの祭り囃子は、
郷土をこよなく愛する民衆が、
多様な文化を取り入れながら確立した、地域色豊かな祭り囃子を、
今も神様に捧げている。