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番組スタッフが綴る公式ブログ 心の書留帖

大ベテランお二人の言葉

2015年03月27日

 こんにちはHPライターのTです。本日最終回を迎えた「花嫁のれん」。今回も応援いただき、ありがとうごいます。ブログコーナーの最後は、番組を支えるキャストの皆さんのコメントを紹介する3回目、大ベテランの黒部進さんと南一恵さんにご登場いただきます。


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黒部進さん(村田役)
「4シリーズまで続いたってことはこの作品が良いってことの証。とてもさわやかで後味が良いし、女将と大女将のコンビネーションも1作ごとに良くなっているでしょ。
村田は生け花の師匠なんですよ。最初の頃はそういう雰囲気もあったのだけれど...。1回ぐらい花を活ける場面があってもいいよね(笑)。いつの間にか『かぐらや』のご意見番に収まり、キャラクターもどんどんパワーアップして。まさかこんな風になるとはね(笑)。
村田は物語を進める上で、キーパーソンのような存在になることもあるし、ご意見番として、『かぐらや』にとって大切な存在として描いてもらってはいるけれど、あくまでメインは女将と大女将であり、今回はそこに真知子くんも加わったよね。何かにつけ『かぐらや』にやって来る村田を、僕は女性陣の後ろであまり目立つことのない存在としていられればいいかな、と思ってます。
『かぐらや』で何かにつけ意見を求められることに対して、そういう役目を仰せつかった以上、村田もいろいろな経験や理解があるんだから、それなりの意見を言わなきゃいけませんよ。僕ぐらいの年になったら、そういうことが出来なきゃダメ。中立の立場を保ちつつ、しっかりとした意見を言えないとね。
 村田はずいぶんと『かぐらや』の嫁姑問題に巻き込まれたけれど(笑)、嫁と姑はどちらも自分の意見を押し通そうとするだけではダメじゃないかな。そもそも嫁姑は他人同士なんだから、それが同居となれば、自分を出し過ぎない気持ち、相手を抱擁する気持ち、互いを理解する気持ちを持たないと。自分の考えを主張するときも大切なのは主張の仕方。そういういくつかのことを心掛ければ、嫁姑の間も多少はギスギスしないんじゃないかと思うのだけれど...。
 僕としては、村田を演じるにあたり、生け花の師匠ということを大切にしています。言葉遣いしかり、居住まいしかり、和服の着こなししかり。優雅で格好良い人でありたい、と。僕も70代半ばなので可愛いおじいちゃん、みたいな役も演じたいけれど、村田はそうじゃない。だから前回のシリーズで幸ちゃんとのシーンではもう"好々爺"っていう感じになってたでしょ。村田は幸ちゃんを実の孫のように思っているから。でも、あまりに良いおじいちゃんになってもまずいかな、と思っていたんだよ (笑)」

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南一恵さん(菊役)
「以前からこの作品の市野直親プロデューサーを存じ上げ、第1弾からキャストとして出演するだけでなく、台本を言葉遣いの監修と修正をするお仕事にも参加させていただきました。私は『花嫁のれん』の舞台、金沢の出身です。方言って、その土地の出身の者でないと自然に話すのは難しいですよね。第1弾の時ですが、野際さんができるだけ方言を取り入れることを希望されたそうで、最初に直したものよりさらに金沢弁を増やしました。
 劇中の方言は公のものと私的の物で使い分けています。旅館では標準語ばかりではせっかくの金沢らしさが薄れてしまいます。そこでイントネーションを金沢寄りにしてみたり。一方、母屋ではざっくばらんな金沢弁にしています。さらに外出先ではまた使う言葉が違うもの。そこはTPOに応じて使い分けを心がけました。
 台本は最低、3回直すようにています。1回目はざっと直し、2回、3回と読み直し、修正を重ねる。さらにキャストの皆さんにセリフを音声で聴いてもらうため、録音してお渡しています。その作業もあり、これはなかなかのハードなスケジュールの中でやりくりしています(笑)。私は所属する文学座の舞台に出ることも多く、ドラマのスタッフさんとどうにか時間を作って方言録りをしていただきました。
 もう第4弾なので、以前ほどの労力はありませんが、第1弾はスタッフ、キャストの皆さんも勝手が分からず、ずっと現場にいた思い出がありますね。
『花嫁のれん』は金沢の良さをあますことなく描いた作品。花嫁のれん自体、金沢の人間にとっては大事なもの。よくぞ、この題材を見つけてくださった、と思っています。私は嫁ぎ先が金沢でなかったので、花嫁のれんは持っていませんが、妹や弟の奥さんは自分の花嫁のれんを持っています。金沢の人間として、花嫁のれん以外にも金沢らしさをふんだんに取り入れ、この街の魅力を最大限に伝えていただいていることに感謝しております。
 菊は第1弾のころに比べると、ずいぶん丸くなりましたね(笑)。この作品に出て来る人たちはみんな良い人。ですから菊の"棘"っていうものがドラマのスパイスになればうれしいので、これからも大切にしたいと思っています。最初に演じたときは、金沢在住の方でイメージした人もいたんですよ (笑)」

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