新型コロナウイルスの感染、東海地方では愛知県を中心に拡大してきましたが、ここにきて岐阜県で気になる感染者のグループが確認されました。

 可児市の合唱団に所属する感染者で、24日までに4人が確認され、岐阜県はクラスターが発生した可能性があるとみて調査しています。合唱団の活動には感染拡大につながる、“あるポイント”がありました。

※このニュースで取材している合唱団は感染者が発生した合唱団とは無関係で、普段の練習の状況を調べるために取材させてもらっています。

古田岐阜県知事:
「同一の合唱団内で陽性患者が4人発症したとなるわけですから、クラスターでの患者の発生ということが懸念される事態ではないかと」

 岐阜県でもついにクラスター発生の可能性が…。

 24日、可児市の50代の女性と川辺町の60代の女性が新たに新型コロナウイルスに感染したことが判明。

実はこの2人、すでに感染が確認されていた70代の夫婦と同じ可児市の『合唱団』に所属していました。

 この合唱団からの感染者は合わせて4人に。

 県によりますと、合唱団のメンバーはおよそ30人。週に1回、2時間程練習をしていました。

 可児市の女性は2回、川辺町の女性は1回、先に感染が確認された70代の夫婦と一緒に参加したといいます。

古田知事:
「合唱団の練習場は、状況によっては3条件が重なるということがあるということで…」


 クラスター発生のリスクが高いとされる「密閉空間」「人の密集」「近距離での会話や発声」という3条件、合唱団の活動はどの程度当てはまるのでしょうか。感染者が確認された所とは別の合唱団を取材しました。

 岐阜市内で活動する岐阜混声合唱団の辻浩一団長。感染者が出た合唱団とは別の団体で、3月から自主的に活動を休止しています。

岐阜混声合唱団・辻浩一団長:
「窓は基本的に私たちは開閉はしません。どうしても隣同士はひっついた形になりますので、飛沫は飛びやすい状況かなと思いますね」

 辻さんの合唱団は普段はコミュニティーセンターで週1回およそ2時間練習をしていてメンバーは40人ほど。参加者の間隔はわずか数十センチほどです。

辻団長:
「歌う以上は唾が飛んだり飛沫が絶対あります」


 合唱なのでマスクをつけたり、参加者の間隔を何メートルもあけることはできません。

また近隣への配慮のため窓を開けたまま練習するのもためらわれます。

 合唱団の感染リスクについて専門家は…。

公立陶生病院・武藤医師:
「大きな声を出して近くに人がいるという状況において、かつ屋内で歌を歌われる方が多いと思いますので、(3条件の)どの要件に関してもかなり高いレベルで満たしているのではないかとは思っていますね。飛沫が飛ぶリスクになりますので、うつる可能性は十分にあるのではと思っております」

 県は感染の拡大次第では、厚生労働省にクラスター対策班の派遣要請も検討するとしています。