2021年3月、名古屋入管に収容されていたスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさんが死亡した問題で、遺族が損害賠償を求める訴えを起こしました。

 スリランカ国籍のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)は5年前に来日し、その後、不法残留で名古屋入管の施設に収容中に体調の悪化を訴え、2021年3月に亡くなりました。

妹・ポールニマさん:
「この活動をやる目的は、姉がどうやって、なぜ死んでしまったかという原因をきちんとしてもらいたいから、こういうことにしました」

 一周忌を目前に控えた3月4日、名古屋地裁を訪れたウィシュマさんの遺族。ウィシュマさんの体調が悪化しても入管は収容を続けたうえ、必要な医療を提供せず死亡させたして、国に対して計約1億5600万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。

妹・ワヨミさん:
「姉が亡くなって1年、こんなに時間がかかると思わなかった。時間も無駄にされているし、政府と入管が責任逃れをしている。責任を取って真相究明してくれると思っていたが、してくれないから裁判を起こすことにしました」

 提訴を受け、名古屋入管は「訴状の送達を受けた場合には、内容を検討して適切に対応してまいります」とコメントしています。

 この問題をめぐっては、これまでに入管庁が最終報告書で医療体制が不十分だったことなどを認めているほか、遺族が当時の名古屋入管の局長らを殺人容疑で名古屋地検に刑事告訴し、受理されています。