農業用水は取水不可能な状態…用水の取水施設での大規模漏水 穴ふさぐ方法は「専門家と検討」でメド立たず
愛知県豊田市の川から用水をくみ上げる施設で、大規模な漏水が発生している問題で、取水施設では今もポンプを稼働させて工業用の水を送る作業が続けられています。
矢作川の右岸側にある取水口からは、仮設のポンプが垂れ下がっていることがわかります。通常はこの取水口から明治用水に水が流れ込む仕組みですが、現在は矢作川の水位が非常に低くなっているため、ポンプを使って水を送り込んでいます。
川の流れが、穴のある左岸に向かって流れているため、クレーンで土嚢を置いて右岸に流れを寄せています。
42台のポンプで水をくみ上げていますが、19日午前には一部のポンプが稼働しないトラブルもありました。
右岸側の取水口から出た水は本来、工業用水と農業用水の両方に使われますが、今回仮設ポンプで汲んだ水は、全て工業用水に使われています。
東海農政局は、農業用水よりも工業用水の方がひっ迫するとみていて、工業用水の確保を優先させています。
農業用水は通常であれば、反対側の矢作川左岸側でも取水していますが、現在は水位が低く、仮設のポンプもなく取水できていません。
左岸側の取水口近くに渦を巻いている部分があり、このあたりに穴が空いているとみられています。色が深く、4~5メートルの水深とみられていて、水の流れを止めなければ穴の状況が確認できないため、すぐに復旧はできないということです。
穴をふさぐ方法は、これから専門家と検討していくということです。