新型コロナとインフルエンザ、2つの感染症が今、私たちの周りで拡がっています。厚生労働省が3年ぶりにインフルエンザの流行入りを発表し、学級閉鎖も相次ぐ中、三重県の小児科クリニックを取材しました。

岩尾こどもクリニックの岩尾篤院長:
「今年インフルエンザが流行る要因ははっきりしていて、まず人の流れが元通りになったことですね。インフルエンザの予防接種もやっぱり接種率が低いというのが、ある程度感染流行の要因にはなっていると思います」

 津市にある小児科のクリニックには、取材に訪れた16日も、発熱を訴える小学生が父親に連れられて診察を受けに来ていました。

 コロナだけでなくインフルエンザの感染も念頭に、キットを使って検査します。

 この小学生はインフルエンザではなくコロナの陽性反応が出ましたが、このクリニックでは16日に検査を受けた90人のうち、コロナが17人、インフルエンザは2人の感染が確認されました。

 厚生労働省によると、1月8日までの1週間に全国の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、1医療機関当たり4.73人と前の週の2倍以上に増加しています。三重県でも、1月2日-8日で4.41人と、流行の目安となる1.0人を大きく上回りました。

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 インフルエンザの流行について、岩尾院長はワクチンの接種率の低さを理由に挙げます。

岩尾こどもクリニックの岩尾院長:
「インフルエンザ(ワクチン)の接種率は今シーズンは結構低くてですね、去年・一昨年とインフルエンザは全くはやらなかったので、皆さんからすると、どうせ今年もはやらないんじゃないのとか。やっぱり接種率が低いというのが、ある程度感染流行の要因にはなってると思います」

 コロナの感染対策が徹底されていたここ2年は、インフルエンザの流行も抑えられていました。そのことがインフルエンザワクチンの接種率を下げてしまったのです。

 人の流れも活発になり、コロナに限らずそのほかの感染症も広がりやすい状態になっていて、その影響は学校にも出ています。

 三重県では県内4カ所の公立の小中学校で学級閉鎖が実施され、このうち度会町の中学校では50人の生徒に感染が確認され、学校閉鎖となっています。

 今後もしばらくはインフルエンザの流行が続くとみられていて、岩尾院長は感染対策の徹底を呼びかけています。

岩尾こどもクリニックの岩尾院長:
「従来通りの感染対策をするしかないっていう、もうそれに尽きますけれどね。インフルエンザのワクチンはまだ接種できますので、1回でもしておくと、一応2週間くらい抗体があがるのにかかるんですけれど。まだしても遅くはないかなとは思います。それで100%予防できるわけでもないっていうのが、ちょっとなかなか難しいところですね」