11月24日に投開票が行われる名古屋市長選挙には7人が立候補し、熱戦を繰り広げていますが、若い世代の関心は高まっていません。こうした中、大学生らがSNS を活用した投票率アップへの取り組みを進めています。

■「過去最多」の激戦も…若い世代は「無関心」

 過去最多に並ぶ7人が立候補した名古屋市長選挙ですが、若い世代に選挙に関心があるか聞いてみると…。

【動画で見る】選挙の候補者を取材しSNSで発信…若者の投票率アップ目指す学生団体 名古屋市長選でも感じる“SNSの力”

Q.市長選の期間は知っている?
20代会社員:
「私は知らなかったです。学校の近くにはポスターがあったかな?くらい」

別の20代会社員:
「あまりよくないことなんですけど、うちの親とかもあまり(投票に)行っていないので、行こうという習慣がない」

大学生:
「選挙は行かないです。会場とかじゃなくてネットとかでスマホでポチっとできたらいいかなとは思います」

20代以下の若者30人ほどにインタビューをしたところ、市長選に関心のある人はわずか2人でした。

前回2021年の市長選でも、全体で42%の投票率に対し、20代の投票率は他の年代よりも低く、20代前半はたった22%でした。

■若い世代の投票率アップへ…若者目線でSNS発信

 若い世代の投票率をアップさせようと、大学生らがある取り組みを進めています。

候補者の街頭演説を、メモをとって撮影をしているのは、中京大学に通う現役大学生、油口さんと永冶さんです。

油口さんは若い世代の投票率アップを目指す学生団体を立ち上げ、さまざまな選挙の候補者を自分たちで取材し、動画をSNSで発信しています。

中京大学4年生の油口琢磨さん:
「動画で伝えることで、より多くの若者に候補者の人柄や面白さをお伝えしたいなと思っています」

中京大学2年生の永冶佳穂さん:
「政治=難しいといったイメージが私自身もずっとあって、(知る)きっかけが少ないのかなって思います」

19日に中京大学を訪れると、油口さんたちは動画投稿に向けたSNS戦略について話し合っていました。

10月の衆院選や11月の兵庫県知事選でも、「SNSの力」は有権者の行動に大きな影響を与えました。

名古屋市長選でも、それぞれの候補者が戦略的にSNSを活用しています。油口さんたちもSNSの力が若者に大きく影響すると感じています。

油口琢磨さん:
「Xのランキングとかに『知事選挙』とか入っていたと思うんですけど、もうちょっと前ってなかったと思うんですよね。ランキングにのるということは、それだけみんなが見ているということになるので、だったら僕も見てみようかな、私も見てみようかなっていうきっかけにつながりやすいかなと思っています」

■「大学生に向けた政策」も…候補者の訴えをSNSに

 若者にとって、SNSは政治に関心を持つ入口となっています。

油口さんたちは、ショート動画でSNSにアップするため、それぞれの候補に「名古屋市の課題」「大学生に向けた政策」「市長を目指す理由」の3つを短く話してもらい、若者が見慣れている1.3倍速の再生速度で動画にする戦略を考えました。

撮影した動画も自分たちで編集し、試行錯誤を重ねた結果、20日、動画ができあがりました。

油口琢磨さん:
「SNSのいいところって、相互にやり取りができるところだと思っているので、動画を見てくれた人たちがさらに拡散してくれるとか、それに対してリアクションしてくれるみたいな、スマホを通じて政治参加や社会に声を上げる感覚を持ってもらえることが大事かなと」

11月24日投開票の名古屋市長選挙には、7人が立候補しています。

・太田敏光氏(76)
・広沢一郎氏(60)
・水谷昇氏(61)
・不破英紀氏(64)
・鈴木慶明氏(85)
・大塚耕平氏(65)
・尾形慶子氏(67)